オランダ・ワーゲニンゲン大学の科学者は光合成に関与しない植物内の色素レベルを下げることで(逆に光合成に関与する葉緑色素の割合を増やすことで)、さらに生産性の高い植物を開発できる可能性がある、という実験データを雑誌 “プラントセル” に公表した。 本実証実験ではアムステルダムのVU大学と連携しながら、様々な光条件下における光合成の効率性について調査したものである。 こうした光波長と植物の成長に関する関係性は、ここ70年以上に渡り研究が行われているものだが、今回の実験では各波長の光をそれぞれ照射するよりも、ある特定波長の光の組み合わせを同時に照射した方が、光合成の効率が高まる等、様々な実験データを得ている。 また、植物色素の中には光を吸収するものの、そのエネルギーが光合成には利用されないケースもあった。こうした非光合成色素の中には、過剰な紫外線から植物自身を守ったり、昆虫からの捕食を防ぐため等、別の防御機能を持つことも分かっている。 しかし、露地栽培と比較して、天敵などが少ない施設園芸や植物工場では、こうした非光合成色素を減少させ、そして、逆に光合成に関与する葉緑色素の割合を増やすような環境制御型の施設園芸向けの品種改良を行うことで、今後、さらに収量を高めた植物育成が可能になる、との見解を示している。 本研究は、STW、NWO、フィリップス、Plant Dynamics BV, VU大学アムステルダム、オランダ園芸生産管理機構(PT)<Productschap TuinbouwProduct, Board for Horticulture>など、様々な研究機関・企業(組織)が関わりながら研究を前進させている。 ]]>
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