米国で飲まれる1日4億杯のコーヒーかすを利用して都市型キノコ栽培にチャレンジするカリフォルニアのベンチャー(BTTR Ventures社)

前回は米国の都市型農業(アーバンファーム)についてご紹介したが、今回は都市型キノコ栽培(Urban Mushroom Farm)にチャレンジするカリフォルニアを拠点とするベンチャー企業、BTTR Ventures を紹介しようと思う。同社はソーシャル(社会貢献型)アグリベンチャーとして有名な企業の一つであるウィキペディアにも詳細が記載されている)。
 
 
BTTR(ベター) Ventures のBTTR(ベター)は “Back to the Roots” の略で、2009年に設立したベンチャー企業。サステナブルな都市型農業(アーバンファーム)ならぬ、アーバン・マッシュルーム・ファームを提案しているユニークな企業。同社が推進するサステナブルな部分は、キノコ栽培の培地に、使用済みのコーヒーをリサイクル利用しており、家庭でも栽培できる小型のキノコ栽培キットや農業用の土壌改良剤を販売している。
 

 
同社では上記のようなキノコ栽培キットを販売している。栽培しているものは、oyster mushroom、日本で言うところのヒラタケを栽培するキットである。米国でもメジャーなキノコであり、どこのスーパーでも安価で売れているキノコである。栽培キットの販売価格は2000円ほど。栽培方法も超簡単で、箱から取り出し、一日2回霧吹きで表面を濡らしてあげるだけ。10日間で収穫可能となり、室内の光があまり当たらない所でも栽培可能である。葉野菜のように蛍光灯のような人工光を長時間照射する必要もないので、簡単に短期間で栽培でき、エコでもある。
 
 
なんと、米国だけでも、1日に4億杯のコーヒーが飲まれている、と推計されており<コーヒーに関する統計はこのサイトに詳しく記載>、使用済みコーヒーをリサイクルするアイデアは素晴らしい。同社は現在、カリフォルニアを活動拠点としており、ベイエリアの地元のコーヒーショップから、週に約3トン以上の使用済みコーヒー(粉)を回収している。
 
 
サステナブルなキノコ栽培キットを利用して、学校への出張講座や子供達とのワークショップも定期的に開催しており、非常に評判が良いようだ。トマトや葉野菜を栽培する体験農業はあっても、キノコが栽培できる経験はできないからだ。また、収穫までに1ヶ月以上も観察・手入れする必要がなく、たった10日間で収穫・結果が見える、という点も子供達の農業や食育・栄養学などを学ぶには、手軽なツールとなっている。その他、地元のローカルビジネス支援にも積極的に参加しており、ソーシャルベンチャーとしては有名な企業の一つだろう。
 
 
以下、日立ファウンデーションの記事より一部を引用。

都市部で農業を行うアレックスとニキールは、自分たちの住む都市が排出する廃棄物を回収するだけでなく、都市に住む人々の就労機会を増やすことも重要であ ると考えている。
 
BTTR Venturesは、地元コミュニティのために地元産の新鮮でヘルシーな食品を提供し、フードスタンプ(政府が生活保護者に発行する食糧配給券)を受け付け、すべての消費者が彼らの製品を利用できることを確実にしている。
 
さらに同社は、事業利益の多くを地元のコ ミュニティに寄付として戻す計画である。また、BTTR Venturesは、カリフォルニア州のバークレー市とオークランド市で小学生を対象に1対1の個別指導を提供する組織、「セイジ・メンターシップ・プロジェ クト」の活動に積極的に関与している。さらに、都市部で高賃金の仕事を創出すると共に、地域の低所得層の雇用に焦点を合わせた雇用プログラムにも参加して いる。

 
 

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