東芝は、神奈川県横須賀市にて稼働させていた完全人工光型植物工場「東芝クリーンルームファーム横須賀」を12月末に閉鎖することを発表した。同施設は、旧フロッピーディスク工場の遊休施設として活用され、2014年の5月に稼働し、11月からリーフレタス、水菜、ホウレンソウ、ベビーリーフなどを生産・販売をスタートしていた。
同施設の光源は蛍光灯がメインとなっており、フル稼働時の生産能力は日産で約8,400株と大規模施設に分類される施設であった。
計画では野菜の生産・販売事業にて約3億円の売上を目指していたが、露地野菜との差別化ができず、当初計画のように施設稼働率が伸びなかった。今回の閉鎖理由も注力領域の選択と集中と発表している。
販売では、サラダ専門のトータルブランドとして「Salad Cafe」の展開を行うケンコーマヨネーズ株式会社と業務提携を行い、販路の開拓やブランド力の構築を図っていた。
販売を開始した当初は、ドレッシング付のオシャレなカップ容器に入ったサラダ商品(フリルレタス、コスレタス、水菜、スイスチャード、ホウレン草などがミックスされたもの)が百貨店にて350円で販売されていた。
カップ容器のサラダ重量は約40gとなっており、通常の人工光型植物工場のレタスが80g程度で198円にて販売されている中、若干の割高感があった。その後は少し価格を下げた商品を周辺スーパーなどに販売も行っていた。
今後は本施設は閉鎖し、生産事業からは撤退するが、植物工場の運営から得た照明技術、温度・湿度制御技術、遠隔監視システムの条件設定などの知見・経験を活かし、植物工場向け機器やシステムの販売の工場ソリューション事業については、今後も継続する、という。
<過去の関連記事>
・東芝が遊休施設を活用した植物工場を建設、カット野菜・サラダ商品の生産へ
・植物工場を運営する東芝とケンコーマヨネーズ社が業務提携
Editor's Picks
-
田んぼに浮かぶホテルがコンセプト、スイデンテラスがリニューアルオープン
-
緑演舎による造園家がプロデュースする個人住宅向け「GARDENNERS HOUSE」事業をスタート
-
ミラノ都市部で自然に囲まれたオフィス空間を実現。ハイテク企業や研究者のハブ施設へリニューアル
-
シンガポールの高層住宅タワーをリニューアル。屋上には住民参加型の菜園も整備
-
メルボルンに駐車場スペースを活用した屋上農園「スカイファーム」が来年に完成
-
台湾の青果市場、屋上に農場を導入した最新施設として2020年に完成予定
-
ロンドン、屋上に植物工場ファームを併設した地元フードコート施設を開設
-
UAEの陸上養殖ベンチャー『Fish Farm社』サーモンなどの魚を本格販売へ
-
カナダの大学が連携。クリーン・エネルギー技術を活用した『高層タワー型の植物工場』を計画
-
海面上昇の対策、海洋に浮かぶ街「フローティング・シティ」食料やエネルギーの自給自足を実現