マレーシア市場におけるイチゴ商品の可能性

 太陽光・人工光型植物工場によるイチゴの生産事例が国内で増えつつある現在、将来的には海外市場への輸出や現地生産を視野に入れている企業も存在するだろう。弊社では、市場調査も兼ねた視察コーディネートサービスを行っているが、その一環としてマレーシア市場の調査結果を一部、紹介しておく。

 マレーシアのスーパーマーケットに並ぶイチゴは、そのほとんどが韓国とアメリカから輸入されたものである。あるスーパーで販売されていた商品価格は、輸入品が1パックあたり20RM(約600円)地元産が10RM(約300)であった。ローカルの一般的な外食価格が5RM(約150円)であることを考えると、イチゴは高級品であることがわかる。

どの商品も品質はあまり良いとはいえず、現地のマレーシア人は「酸っぱくておいしくない」という。特に輸入品は、長距離の輸送に耐えられるように表皮の硬い品種が使用されており、酸味が強い。あまりにも甘味がないので、チョコフォンデュにして食べることもある、という。

しかし、イチゴは人気がないわけでは決してない。スーパーなどの販売棚には、常時100パック近くが陳列され、セールのときには一度に6パックほどをまとめて購入する人もいるくらい、マレーシアではポピュラーな果物である。

マレーシア市場におけるイチゴ商品の可能性
<左:アメリカ産イチゴ、右:地元スーパーにおける陳列の様子>

例えば、マレーシア伊勢丹KLCC店では、日本の「さがほのか」が並んでいるのを見ることができたが、1パック40RM(1200円)もする超高級品であった。1戸の農家と契約しているため、仕入れは不定期であり、農家にストックがあるときのみ仕入れを行っている、とのこと。

「日本の品質のイチゴを安価に提供してもらえるなら喜んで店頭に並べる」高級スーパーマーケットMercatoのマネージャーはそう語る。大手小売チェーン店の進出が進んでいるマレーシアでは、現地でのコールドチェーンなど近代的な流通網が整備されつつある。

同国ではイチゴの生産・販売事業に大きなビジネスチャンスが眠っており、日本国内からの輸出と同時に、現地の嗜好にマッチした商品を低価格で提供するためにも、現地生産も視野に入れる必要があるだろう。