2013年5月6日、中国ハルピン市農業委員会によると、およそ100億元、日本円に換算すると1,600億円(1元=16円)の総事業費にて、世界最大の植物工場建設計画が発表された。
設備投資の資金については、台湾財団法人で中国・台湾両国の交流発展基金会の集団投資により、最先端の太陽光利用型、LED光源を活用した完全人工光型植物工場システムの建設が予定されている。
※ 現在、新しい情報は公表されていない。写真は京鵬科技より
施設上部にはソーラーパネルが設置され、発電した電気は施設内だけでなく、国の電気供給にも利用される。室内ではLED光源を採用した多段式の栽培・自動化システムを稼働させ、地中熱を利用した最先端の実証施設を計画している。
LED光源により、植物にとって最適な波長にコントロールすることで、露地栽培レタスよりビタミンCが4倍、ビタミンAが12倍にも高めた機能性野菜の量産技術の確立も目指す。
また、太陽光利用型ではトマトやキュウリ、レタスの他、年間で5~6回転が可能な稲の栽培も検討されている。
最終的な投資資金は約100億元で、1,320~3,300ヘクタールの敷地面積に建物や栽培施設を建設していく計画。ただし、計画は徐々に実行され、第1期の建設面積は約66.6ha、その他として約6.6ha実験棟、約99.9haの観光農園施設、約0.3haの研究開発用地の整備を計画している。
ハルビン(人口:987.3万人)は、中国北部にある黒竜江省に位置し、黒竜江省の政治・経済の中心地である。鉄道路線がロシアまで続いているため、ロシア人も多く見受けられる。
北部エリアであることから冬季の農業は非常に難しく、本施設によって冬季であっても生鮮野菜の周年生産が可能となり、ハルビンや周辺地域全体で供給できる、という。
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