震災復興へ向けた新たな農業ビジネスモデルの構築。独自の植物育成LED技術を活用したリーフレタス・ハーブ類の生産と実証実験(玉川大学/西松建設)

玉川大学が持つLED (発光ダイオード) 照明を主光源にした植物水耕栽培の技術と西松建設のビジネスノウハウなどを融合し、10月から玉川大学内で植物工場を稼働させる。     初期はリーフレタスを生産し、2年後の生産設備の増設、最終的な量産体制の実証工程を経て、生産性と高品質化を両立させた収益性の高い事業化モデルを確立し、多方面への提供を目指す計画である。

<西松建設プレスリリースより>
  玉川大学農学部の渡邊博之教授は 「ダイレクト冷却式ハイパワーLED(現在、特許出願中)」 による植物水耕栽培システムの開発に成功。同技術は、LEDチップをアルミの基盤に接着することで、LEDチップを強力に冷却し、フルパワーで10年以上使用しても植物栽培光源として充分な出力を保つことを可能にしたモデル。このモデルの使用により、LED点灯時の発熱に起因した、LEDチップの劣化とそれに伴う出力低下が回避できるため、LEDを高出力で連続点灯でき、更にLEDの交換コストを大幅に軽減することができる。     玉川大学校内に建設する植物工場「TN Produce−Plant Factory−」(TN:TAMAGAWA-NISHIMATSU)は、太陽光発電システムを備えた地上2階建(延床面積:約900平米)で、リーフレタスやハーブ類の日産3,900株を可能にする構造規模を有する。1月に着工し、同年9月に完成予定で、10月にリーフレタスの日産600株システムの稼働から開始し、2年後(平成26年9月頃予定)の第2段階では、生産設備を増設し、レタス以外の作物も生産可能な日産3,900株システムを稼働させる予定。     本施設ではLEDのみを主光源とすることで、植物の種類に応じ、生育に最適な波長の光環境設定を行う。加えて「ダイレクト冷却式ハイパワーLED」の採用によるLED環境の安定化により、消費者ニーズに対応した高付加価値な作物を省エネで効率的かつ計画的な生産することを目的としている。     これを収益構造の柱として、収益性における課題の解消を図る。「食の安心・安全」に対する消費者ニーズに応える新たな農業ビジネスモデルを構築し、東日本大震災における被災地の産業復興策として、また農業を中心とした地域活性策として、企業のビジネスノウハウと大学の研究成果による産学事業の創出を目指す。<参考:環境ビジネスなど>    ]]>