神戸大と神戸市などは7月7日、非常に小さな水の粒子を使った植物の栽培システムを開発したと発表した。同大によると、液肥を霧状にして植物に吸収させる仕組みで、こうしたシステムは世界初と説明している。
同大大学院農学研究科の金地通生准教授(植物生理学)は「従来の水耕栽培などに比べて水や肥料などの使用量を抑えられ、研究が進めば低コストで環境に負荷をかけずに、高品質の作物も作れる。農業振興にもつながる」と話している。同准教授らによると、このシステムは大阪市西区のメーカーが開発したノズルを使い、栄養分を含んだ液肥を直径10ミクロン(0.01ミリ)以下の霧状にして栽培装置内に放出。充満させて、装置内に露出させた植物の根に吸収させる。
粒子が非常に小さく装置内を漂うため、従来の方法に比べ、水や肥料の使用量が10分の1以下に抑えられた上、根も大きくなったという。実験では、レタスの成長が早くなり、トマトも糖度が高くなった。また、このシステムを使い、夏場のビニールハウス内の温度を50度から30度以下に下げることに成功。同准教授は「暑すぎるため諦めていた夏場のハウス栽培も可能になり、農家の経営にも好影響が見込めるのでは」と話している<参考:時事通信社より>
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