小型のミニ・家庭用植物工場(水耕栽培)が次々と開発・販売される中、電動バイクの製造・販売を手掛ける(株)FUJIYAは、これまでの電池研究を生かし、三洋電機製リチウムイオン電池を備えた家庭用水耕栽培装置を開発した。完全人工光型の植物工場は、最適な生育環境を保つため常に電力を供給する必要があるが、一般家庭では電気代がネック。このため充電式による独立電源を採用。電気代が大幅に安い深夜帯に充電するだけで必要な電力を確保でき、省エネが図られるようにした。停電で野菜がだめになる心配もない。
照明はサン電子工業のLED製品を活用してランニングコスト低減も図った。FUJIYAはもともと水耕裁培の設備設計に実績があり、従来の設計を基に屋内の限られたスペースに設置できるよう軽量化とコンパクト化に努めた。価格は6万円からを想定しており、近くネット中心に販売を開始する予定である。
商業用を想定したコンテナ式には、リチウムイオン電池などを搭載した植物工場があるが、家庭用にはあまり例がない。家庭で行う水耕栽培の場合、太陽光が入る窓辺で葉野菜や果実類(トマトやキュウリ、ゴーヤなど)を栽培することが多かったが、最近は蛍光灯やLEDを搭載した簡易的な植物工場を作って、楽しむ人々も少しずつは増えているようだ。
光源を長時間つけっぱなしにしている方にとっては、ありがたい栽培システムではあるものの、価格的には少しお高いので、企業が実験的に栽培するために購入する方が適しているのかもしれない。