MFMとNEC、小麦の大規模実証を通じてAIを活用した営農支援サービスへ

エム・エス・ケー農業機械株式会社(MFM)と日本電気株式会社(NEC)は、共同で営農支援分野での実証実験を開始した。本実証は、北海道にある小麦農場約170ha(東京ドーム約34個分)において約2年かけて実施します。

MFMが取り扱う先進機能搭載農機での収穫によって圃場ごとの収量を把握するとともに、NECの農業ICTプラットフォーム「CropScope」を活用し、衛星画像や各種センサーから営農・環境データを可視化します。

可視化で集積されたデータを基に、AIによる営農アドバイスの価値検証を行い、AIが提案した最適な施肥設計に基づいて自動的かつ精密に可変施肥を行える施肥機との連動を目指します。

MFMとNEC、小麦の大規模実証を通じてAIを活用した営農支援サービスを計画
■共同実証実験の概要
・目的:営農現場での課題解決を通して「持続可能な農業の発展」に貢献すべく、農業生産者様と共同で実証実験を行う。
・実験エリア:北海道河西郡芽室町
・対象作物:小麦
・提供価値(仮説):
 (1)営農データ、並びに環境データの可視化、蓄積(1年目)
 (2)AIを活用した農業生産性向上に資する営農アドバイスの価値検証(1~2年目)
 (3)営農アドバイスを踏まえた先進機能搭載農機の稼働への落とし込み(2年目)


MFM取扱商品である独CLAAS社製LEXIONシリーズは、高性能大型コンバインハーベスターです。本実証実験において、収量マッピングオプション、水分計オプションを含む先進機能を搭載した最新式LEXIONで対象圃場の収穫作業を行います。

収穫後は、オプション機能を活用して収量マップを作成し、シーズン中の営農データと環境データ(過程)と収量マップ(結果)をNECの「CropScope」と連携させることで、将来的には翌シーズンの最適な施肥設計・施肥計画の立案や、可変施肥対応施肥機の稼働に落し込むことを目指します。


NECの「CropScope」について
NECの「CropScope」は、衛星写真から把握する作物⽣育状況、ならびに⼟壌気象センサーから把握する圃場環境の可視化と、可視化されたデータを基にAIによる営農アドバイスを⾏うサービスです。

MFMとNEC、小麦の大規模実証を通じてAIを活用した営農支援サービスへ
これまで、欧州や⽶州などにおいて「CropScope」を活⽤したトマト農家と実証を⾏い、熟練栽培者と同等の収穫量を実現できることを確認しました。今回、AIによる最適な営農アドバイスを、MFMが販売・サービスする先進農機の稼働に落し込むことで、再現性の⾼い農業の実現と農業⽣産性の向上、農業経営の効率化を⽬指します。