キリンホールディングス株式会社は、生産地の農家とともに持続可能性を高め、将来にわたり良質な原料を安定的に使用していくための取り組みとして、ベトナムのコーヒー農園のレインフォレスト・アライアンス認証(※1)取得を支援する取り組みを4月より本格的に開始した。
当社は、2013年よりスリランカの紅茶農園にて同様の取り組みを継続していますが、本年よりベトナムのコーヒー農園へ活動の範囲を拡大させます。
※1 農園の農業活動が環境保護、社会的公正、経済的競争力の全てについてより持続可能であることを、持続可能な農業基準に照らし、第三者認証機関が独立した立場から監査し保証する国際的な認証制度。
2013年から継続しているスリランカの紅茶農園の取り組みの成果として、2019年末時点で、キリングループの支援で87の紅茶大農園が認証を取得しています。
これは、スリランカ全土のレインフォレスト・アライアンス認証を取得している紅茶大農園の約3割に相当します。
2018年からは小農園の認証取得支援と紅茶農園の中の水源地保全活動も開始しています。2025年末までに10,000を超える小農園がレインフォレスト・アライアンス認証を取得予定です。
このようなスリランカでの取り組みで得た知見を生かし、今回支援先をベトナムのコーヒー農園へ拡大させます。
ベトナムは、ブラジルに次ぐ世界第2位のコーヒー豆生産国です。2019年キリングループが輸入したコーヒー豆の約3割がベトナム産であり、当社グループ会社のキリンビバレッジ株式会社(社長 堀口英樹)が販売するコーヒーブランド「キリン ファイア」などに使用されました。
ベトナムのコーヒー農園の大半は小農園であり、適切な教育機会がないために、収量の減少に見舞われたり、不適切な化学肥料の使用などを行っている農家が存在します。
認証取得支援のトレーニングにより、現地の人々が水使用量の削減や河川の汚染防止、生物多様性への配慮、日陰栽培の導入や土壌浸食の防止など、農業に関する多様な知識を習得し、より合理的な天然資源使用と気候変動などの環境変化にも柔軟に対応する体制をつくり、生産コストを下げながらコーヒーの品質向上を図ることができるように支援します。
まずは、400軒の小農園農家を対象に支援を開始し、将来的には、コーヒー農園のある地域の水リスクに関する支援も検討していきます。
【ベトナムのコーヒー農園におけるレインフォレスト・アライアンス認証取得支援】
<具体的な活動内容>下記工程を循環させるため、活動をサポートする。
■レインフォレスト・アライアンスの農学者による小農園の状況分析と活動計画の立案。
■小農園のグループ化とリーダーの選任。
■各グループリーダーへの持続可能な農業についてのトレーニング実施。
■トレーニングされたリーダーによる各小農園のトレーニング実施。
■各グループでの自己評価と改善計画の立案・実施。
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