インドのハリヤナ州・カルナルにある「ジャガイモ技術センター」では、ジャガイモの水耕栽培に関する研究をスタートする。既に予算も確保しており、研究にはインドの中央ジャガイモ研究機関と連携して実施する、という。
ジャガイモの水耕栽培に関する予算は、約9,400万円を確保。同センターでは、露地を中心に様々な品種のジャガイモを栽培している。
ジャガイモ品種の中でも、短期間の成長が見込まれ、環境変化にも強い種類を選定して、水耕栽培を実施する。例えば、乾燥に弱いが、短期間で高収量が見込まれる品種など、ジャガイモにも特徴がある、という。
栽培方法は、栽培ベッド内に常に養液を流す形(NFTやDFTと呼ばれる水耕栽培)ではなく、根に直接、養液を吹きかける噴霧式(海外ではエアロポニクスと呼ばれる方法)を採用する。
試験栽培では、ジャガイモ1株から8個程度の収穫に対して、噴霧式の養液栽培(エアロポニクス)では1株から30~50個も増えることもあった、という。研究開始は9月末頃を予定している。
インドでの主要作物であるジャガイモ
『一人当たりの年間消費量は34kg』
インドは、世界でも2番目に多いジャガイモ生産国であり、年間に4,640万トンを生産。収穫されたジャガイモは主に国内で消費されている。
インドにおいてジャガイモは、米、小麦に次ぐ、3番目に重要な作物・主食となっており、現在、一人当たりの消費量は年間で34kg。
今後も、ジャガイモの消費量は増加することが予想され、国としては、2050年までに現在の倍以上の1億2,500万トンのジャガイモを生産する必要がある、と予測している。
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