酪農・畜産向けIoTソリューションを提供する株式会社ファームノートホールディングスは、北海道・九州エリアの顧客基盤強化と、研究開発体制の強化を目的として、複数のファンド・企業・個人投資家などから総額4億円の資金調達を実施した。
個人投資家の千葉功太郎氏はファームノートへシード投資をしており今回は追加投資となります。今回の資金調達を含めた累計資金調達額は、総額約17億円となります。
ファームノートは2014年からクラウド牛群管理システム「Farmnote」の拡販および機能強化に努めると共に、2017年から「Internet of Animals ※2」を実現する牛向けウェアラブルデバイス「Farmnote Color」を開発し、事業を展開してまいりました。
結果、売上成長率は過去3年で約30倍となり、ユーザー数も2,700農家、契約頭数27万頭(参考:日本の飼養頭数390万頭)まで成長しました。
ファームノートは今回の資金調達により、酪農・畜産が特に盛んな北海道・九州エリアの地方銀行とのリレーションを強化することで、生産者の経営力強化に貢献します。さらにリアルテックファンド・リバネスの支援を受けて研究開発におけるノウハウを蓄積し、将来を見据えた獣医学分野での研究開発を強化し、酪農・畜産の生産性向上および競争力強化に貢献していきます。
※2 経済動物をセンサーでインターネットにつなげ、人の目を介さずに人工知能により動物の状態を検知し、最適な飼養管理を実現する技術。ファームノートが提唱。
▼資金調達の目的
1.北海道・九州エリアでの地銀との協業による酪農・畜産向けICTの普及促進
ファームノートの顧客層は主に北海道・九州に集中しており、さらに近年の生産者は経営規模の大規模化が進んでいるため、生産者と金融機関との関係性は非常に重要になっています。
クラウド牛群管理システム「Farmnote」は生産者のオペレーションの効率化を可能とし、銀行が資金面で生産者をバックアップするために重要となる「生産性の数値化」を実現することができます。
また 「Farmnote Color」の導入により、牛の繁殖成績や生産寿命の向上が見込めるため、生産者の利益向上に貢献することができます。ファームノートと各銀行が販売促進面で協力することで、両者の顧客基盤のさらなる強化を目指します。
2.獣医学分野での研究開発強化
ファームノートは2016年8月に設立した農業への人工知能とIoT活用の研究組織「Farmnote Lab」を推進させるため、獣医師や研究員の積極的な採用を行なっています。
この度、リアルテックファンドとリバネスからの支援を受け、特に獣医学分野での研究開発ノウハウを蓄積して研究開発を加速させます。
▼株式会社ファームノートホールディングスについて
株式会社ファームノートホールディングス(http://farmnote-hd.com/)は2016年12月に設立。「生きるを、つなぐ」をビジョンに、持続可能な地球の豊かさへの貢献を目指した純粋持株会社です。
ウェブインテグレーション事業を展開する株式会社スカイアーク(http://www.skyarc.co.jp)と、農業IoTソリューション事業を展開する株式会社ファームノート(http://farmnote.jp)を有しています。
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