農業AIブレーン「e-kakashi」の実証実験を行うハウス農園「BASE」が横浜に誕生

 ソフトバンクグループのPSソリューションズ株式会社は、Hiramoto Farmの協力のもと、AI(人工知能)を活用した農業向けIoTソリューション「e-kakashi」の実証実験を行うハウス農園「BASE(Bridging Agriculture and Scientific-knowledge by e-kakashi)」を神奈川県横浜市に開設した。

農業AIブレーン「e-kakashi」の実証実験を行うハウス農園「BASE」が横浜に誕生
「BASE」は江戸時代から続く老舗農家である平本貴広氏の協力のもと運営されます。当ほ場には「e-kakashi」の子機3台を設置し、環境データの収集とAIによる分析を行うほか、環境制御サービス「e-kakashi Tetori」の、ハウスの窓開閉モーターを導入します。

また研究開発を進めているかん水制御装置や液肥の混合・施肥装置など新技術の実証実験にも取り組み、将来的には自動的にAIが栽培環境を最適に制御するサービスの構築を目標にしています。


「BASE(Bridging Agriculture and Scientific-knowledge by e-kakashi)」 概要
場所:神奈川県横浜市神奈川区 Hiramoto Farm内
仕様:ビニールハウス(6m×16m、2棟)
栽培内容:きゅうり、なす、トマトほか
運営開始:2018年9月


Hiramoto Farm/平本貴広氏について
平本貴広氏が経営する神奈川県横浜市神奈川区にある農園で、平本氏は神奈川の農業を盛り上げる若手生産者グループ、神七(かなせぶん)の中心的メンバーです。

百貨店やマルシェなどの出店、レストランとのコラボイベントや生産者をめぐる農業視察ツアー、親子料理教室なども実施しています。栽培品種はピーマン、きゅうり、トマト、ナス、ゴーヤなど、少数多品種で栽培されています。

今回のプロジェクトに際し平本氏は「少量多品種の栽培は、品種ごとに必要な生育環境が異なるため管理に苦労していました。

これからe-kakashiで環境データを数値化することで、現状把握だけでなく収穫適期予測や防除計画が立てられるようになるので、働き方が変わると期待しています。新しい技術や知見を導入することで、新しい農業の形をつくっていきたいです」と語っています。


「e-kakashi」について
「e-kakashi」は、田畑などのほ場から自動で収集した環境データを植物科学の知見を組み込んだAIで分析することで、作物の生育ステージにあわせた最適な栽培方法や病害などのリスク回避策をフィードバックするソリューションとして開発されました。

植物栽培における判断を科学的にアシストすることで、精密農業の導入を容易にするソリューションとして評価を得ています。日本国内に加えて海外でも普及が進み、現在合計300サイト以上で稼動しています。

2018年5月、農業情報学の普及と進歩に貢献し、ITを活用した科学的農業の発展を期待させるという功績が認められ、農業情報学会※1が表彰する2018年度の学会賞のうち、開発奨励賞を受賞しました。さらに農作物だけにとどまらず養鶏分野における研究開発が開始※2しています。


※1農業における情報通信技術を中心に活動を行う学術団体。https://www.jsai.or.jp/

※2参考:https://www.pssol.co.jp/news/20180528/
 2018年5月28日実施のプレスリリース