キヤノンマーケティングジャパングループのキヤノンITソリューションズ株式会社(キヤノンITS)は、このほどAI(人工知能)プラットフォーム「LaiGHT ライト」を開発した。このAIプラットフォームを活用して、ネットワークカメラを利用したスマート農業ソリューションの技術開発と実証試験を行っていく。
近年ではディープラーニング(深層学習)技術の発展により、画像認識技術の実用化が進み、多くの分野で応用が始まりました。
キヤノンITS R&D本部 先進技術開発部では、キヤノンのカメラに代表される光学処理技術をIT分野で活用するため、要素技術である画像認識技術の研究開発に注力しています。
当社が提供する働き方改革ソリューション「テレワークサポーター」、教育機関向け授業支援ソリューション「in Campus Scan」などは、この画像認識技術を適用。
さらに金融事業者様の与信審査業務へディープラーニング技術を応用するなど、画像の枠を超えたAI開発も手掛けています。
しかしながら、このような増大するAI需要に対しAIを開発できる人材(AIエンジニア)はいまだ限られています。また、AI開発には最新のAIに関する技術知識や開発スキルを備えた上で、大量のデータと計算機リソースの管理、繰り返し行う学習/評価結果の記録管理など、多岐にわたる煩雑な作業が必要となります。
このような課題のもと、R&D本部 先進技術開発部では、少数のAIエンジニアで多くのAI開発を迅速かつ効率的に行うための仕組みとして、AIプラットフォーム「LaiGHT」を開発しました。
LaiGHTは、学習データ管理機能、計算リソース管理機能、学習結果視覚化機能など、AIエンジニアがこれまで個々に実施していた一連の作業を支援し、開発を効率化する機能を備えています。
現在では、このLaiGHTをプラットフォームとし、キヤノンのネットワークカメラを活用した新しいスマート農業ソリューションの開発プロジェクトを、九州大学大学院農学研究院 岡安崇史准教授と連携して行っています。
農林水産省が進める「革新的技術開発・緊急展開事業(うち地域戦略プロジェクト)実証研究型」により、開発した技術の普及を目指した実証も推進。
カメラの映像からイチゴの生育状況を数値化するAI、そして生育状況と温度、湿度などの環境データをもとにイチゴの未来の収穫量を予測するAIの開発に加え、日々のデータ解析の実行基盤としてもLaiGHTが活用されています。
Editor's Picks
-
田んぼに浮かぶホテルがコンセプト、スイデンテラスがリニューアルオープン
-
緑演舎による造園家がプロデュースする個人住宅向け「GARDENNERS HOUSE」事業をスタート
-
ミラノ都市部で自然に囲まれたオフィス空間を実現。ハイテク企業や研究者のハブ施設へリニューアル
-
シンガポールの高層住宅タワーをリニューアル。屋上には住民参加型の菜園も整備
-
メルボルンに駐車場スペースを活用した屋上農園「スカイファーム」が来年に完成
-
台湾の青果市場、屋上に農場を導入した最新施設として2020年に完成予定
-
ロンドン、屋上に植物工場ファームを併設した地元フードコート施設を開設
-
UAEの陸上養殖ベンチャー『Fish Farm社』サーモンなどの魚を本格販売へ
-
カナダの大学が連携。クリーン・エネルギー技術を活用した『高層タワー型の植物工場』を計画
-
海面上昇の対策、海洋に浮かぶ街「フローティング・シティ」食料やエネルギーの自給自足を実現