株式会社産業革新機構(INCJ)と三菱商事株式会社は、スピルリナを生産する藻類バイオベンチャーである株式会社タベルモに対し、総額17億円を折半にて出資する。
タベルモはちとせグループが2014年に全額出資して設立したバイオベンチャー企業です。同社では植物工場のように閉鎖型の環境制御・培養装置にて、飛躍的な生産性の向上を実現している。
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今回の資本拠出により、INCJと三菱商事が新たな株主として加わり、出資比率は各々31.43%となります。
タベルモは、今回調達した資金を主にブルネイにおける新工場設立に活用する予定です。藻類は光合成のみでの増殖が可能で、単位面積あたりの生産性が非常に高いことから、新たなタンパク質源として注目されています。
特に、スピルリナは、タンパク質含有量が65%(乾燥重量ベース)と圧倒的に高く、それ以外にも、ビタミン、ミネラル、食物繊維などを豊富に含む栄養価の高い新時代の食品です。
世界的な人口増加と新興国の経済発展による食生活の変化にともない、世界のタンパク質需要は今後大幅に増加することが見込まれています。需要の成長スピードに供給が追いつかず、2030年頃には需給バランスが崩れるとの予測もあります。
【「スピルリナ」とは】
35億年前に誕生した藻の一種。マヤ文明時代から人々の貴重な栄養源の1つとして食されており食経験が長い。60種類以上の豊富な栄養素を持ち、タンパク質含有量が65%(乾燥重量ベース)と藻の中でも特に高いことが特徴。藻体を乾燥し、粉末や錠剤にして健康食品として食されることが多く、海外を中心に「スーパーフードの王様」として広く知られている。
【タベルモの技術】
タベルモは、ちとせグループが蓄積してきた生き物(微生物、藻、動物細胞など)を育種、培養する技術に加え、スピルリナを加工する技術を開発し、タンパク質が豊富で栄養価の高いスピルリナの特徴を最大限に活かした「生スピルリナ」という商品の開発にも成功しています。
培養においては、従来、藻類の培養で一般的なオープンポンド方式に加えて、新たに経済的かつ量産化可能な薄型パネル構造の閉鎖型PBR(Photo Bio Reactor:微細藻類を含む光合成を行う生物を培養する装置)を開発。本PBRにおけるタンパク質生産性は、大豆(※)の20倍程度を達成しています。
※大豆は、現行農業において最大のタンパク質生産性を誇る作物
藻類由来タンパクの生産・食品開発を手掛けるタベルモへの出資について
~スピルリナで将来のタンパク質需要増大へ対応~
●スピルリナはタンパク質を豊富に含む藻類で、60種類以上の栄養素を含む新時代の食品
●タベルモは調達資金でブルネイ・ダルサラーム国に新工場を建設
●タンパク質の需要拡大に対応すべく持続可能な供給ソースの多様化に寄与
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