非常用発電機の負荷試験の株式会社アステックスと映像・デジタルコンテンツ制作のラズオラクル合同会社は、赤外線カメラを搭載した無人航空機(ドローン)による太陽光発電パネルの検査事業で2018年2月15日に業務提携を行った。
太陽光発電では、一般的に直流電流を交流電流に変換するパワーコンディショナの寿命は10年程度ですが、太陽光パネルの寿命は20~30年と言われてきました。
しかし、実際には5年間でパネルの不良が1%前後は発生したというデータもあります。
また、2017年4月に施行された改正FIT法で「保守と点検を行うこと」が定められ、具体的には「文書・情報の整理と保管」、「運用・保守マニュアルの整備」、「保守整備の記録」、「システム障害の予防と監視」、「システム障害発生時の復旧マニュアルの整備」などが求められています。
アステックスは、「ライフラインの維持、メンテナンスによる安心な社会を作る」ことを目的にビル、商業施設などに設置と動作試験が義務付けられている「非常用発電機」に負荷をかけて動作検査をする負荷試験事業者です。
これまでに、火力、原子力発電所から大手アミューズメント施設やデータセンターなど約500件を超える実績があります。
一方、ラズオラクルは、これまで企業の製品PR、観光PR、各種イベントの映像制作に携わってきました。
2017年には経済産業省が主導するアジア各国に向けた九州の観光誘致事業に関わり、観光地の映像を制作し中国・韓国・タイ・台湾・香港の海外5カ所のイベントにも参画しました。
今回、アステックスの営業チャネルや検査ノウハウを活かし、ラズオラクルが国土交通省より取得した包括的なドローン飛行許可及び承認(※1)を合わせ、太陽光発電パネルの検査が可能となり業務提携をします。
これにより、全国のメガソーラー約5,100カ所の発電所を対象に、ドローンを使って不具合パネルを選別することが可能となります。
実際の検査は、太陽光が発電をしている時間帯に、ドローンを飛行させて赤外線カメラを使用して撮影することで実施します。正常な太陽光発電パネルは赤色に、故障などで発電量の少ないパネルは、正常なパネルに比べ黄色に映ることで不具合を発見できます。
また、撮影した映像はリアルタイムでインターネットなどに配信できるため、メガソーラー運営事業者は、現場に行かなくても事務所などで不具合を精査することができます。両社は、今回の業務提携で初年度30件の受注を目指します。
※1:無人航空機の飛行に関わる許可・承諾書 阪空運第10274号 阪空検第3886号
許可と承認事項:航空法第132条第2号 航空法第132条の2第1号及び3号
許可等の期間 :平成29年12月22日から平成30年12月21日
飛行経路 :日本全国(飛行マニュアルに基づき地上及び水上の人及び物件の安全が確保された場所に限る)
[関連記事]
・Looop、ドローンによる太陽光パネルの赤外線調査・点検を実施
Editor's Picks
-
田んぼに浮かぶホテルがコンセプト、スイデンテラスがリニューアルオープン
-
緑演舎による造園家がプロデュースする個人住宅向け「GARDENNERS HOUSE」事業をスタート
-
ミラノ都市部で自然に囲まれたオフィス空間を実現。ハイテク企業や研究者のハブ施設へリニューアル
-
シンガポールの高層住宅タワーをリニューアル。屋上には住民参加型の菜園も整備
-
メルボルンに駐車場スペースを活用した屋上農園「スカイファーム」が来年に完成
-
台湾の青果市場、屋上に農場を導入した最新施設として2020年に完成予定
-
ロンドン、屋上に植物工場ファームを併設した地元フードコート施設を開設
-
UAEの陸上養殖ベンチャー『Fish Farm社』サーモンなどの魚を本格販売へ
-
カナダの大学が連携。クリーン・エネルギー技術を活用した『高層タワー型の植物工場』を計画
-
海面上昇の対策、海洋に浮かぶ街「フローティング・シティ」食料やエネルギーの自給自足を実現