富士通、ミャンマーの農作物の生産性向上に向け灌漑用水の水位把握の実証を実施

 富士通は、ミャンマーのタウングー(Taungoo)地方において、灌漑用水と河川の水位情報を簡易に管理できる2種類の実証実験を2016年下旬から2017年1月31日にかけて行い、このたび本実証の協力機関であるミャンマー農業畜産灌漑省の灌漑局に対して実証結果を報告しました。
富士通、ミャンマーの農作物の生産性向上に向け灌漑用水の水位把握の実証を実施
 今回の実証では、灌漑施設内や農地の灌漑用水位、および河川の水位を、現場に設置されている水位目盛りから灌漑局の職員以外の農家や現場協力者が目視し、スマートフォンの専用アプリケーションに入力することで、入力時間とGPSなどの情報とともに、灌漑局は各地のリアルタイムな水位を把握することが可能になりました。
これにより、本システムが、誰もが手軽に利用でき、かつ灌漑用水や河川の情報管理に有効であることを確認できました。

 今後、当社は、本システムを活用し、収集された情報を元にした灌漑用水の効率的な配水や河川の氾濫予測へ展開していきます。

■背景
 ミャンマーでは、農業畜産灌漑省の灌漑局が、農作物の生産性向上に向けた灌漑用水の効率的な配水のための灌漑管理、および河川の洪水氾濫の発生検知やそれによる住民や農作物に対する被害を軽減するための河川管理を担当しています。

現在、周辺の住民などの水位情報提供者から電話で通知されたものを灌漑局の職員が紙に記入する形で調査が行われており、情報の正確性やリアルタイム性に欠け、かつ状況を効率的に把握できないといった課題がありました。
また、システム活用を検討するにあたり、ITスキルがなくても簡単に操作でき、維持・運用コストを抑えることも必要でした。

 そこで、今回、当社が開発したスマートフォンのアプリケーションを活用し、灌漑用水や河川の水位情報を簡易に収集でき、正確かつリアルタイムに灌漑局が把握できるかを確認するための実証を行いました。