矢野経済研究所ではコメビジネスと日本国内の米飯市場の調査を実施した。本調査における米飯市場とは、日本国内の日配米飯(弁当、おにぎり、持ち帰り弁当、持ち帰り寿司、持ち帰り丼、給食弁当他)と加工米飯(冷凍米飯、レトルト米飯、無菌包装米飯他)を対象とし、小売金額ベースで算出した。
<コメビジネスとは>
本調査におけるコメビジネスとは、日本企業が主体となってコメの品種開発から生産、加工、流通、販売の一連のプロセスに広く係わるビジネス(国産米の輸出及び短粒種である日本(ジャポニカ)米などの海外現地生産関連ビジネスを含む)と、高機能米の開発・加工関連ビジネスを対象とする。
■調査結果サマリー
◆2016年度の米飯市場は前年度比102.1%の2兆4,203億円の見込
2014年度の日本国内の米飯市場規模(小売金額ベース)は前年度比102.2%の2兆3,295億円、2015年度の同市場規模は前年度比101.8%の2兆3,708億円と推計した。
弁当やおにぎりなどの日配米飯は、東日本大震災をきっかけとして高齢者などのコンビニエンスストア利用が増えたことなどから消費が増加に転じ、好調を維持している。
また、無菌包装米飯や冷凍米飯などの加工米飯についても、震災時に利便性の高さが評価され、その後も常食での利用が広がっていることや小容量サイズ、機能性・栄養価などを差別化した商品が好調なことから、2016年度の同市場規模(同ベース)を前年度比102.1%の2兆4,203億円の見込みである。
◆海外需要の獲得、高機能米の開発を目指すコメビジネスが進展
海外に活路を見出し、国産米の輸出や日本(ジャポニカ)米などの海外現地生産、消費拡大に取り組み、ひいては日本の農業の活性化に貢献することを目的としたコメビジネスが活発化している。
また、国内では昨今の消費者ニーズを反映してコメの高付加価値化が進んでおり、高度な精米・加工技術を駆使して玄米の栄養素をできる限り残した高機能米の開発が進んでいる。さらに、日本のコメビジネスは、川上の農業から川下の外食、中食事業までをグループ企業で担う垂直統合型のビジネスモデルへと発展しつつあり、異業種からの市場参入も盛んである。
■この調査結果掲載の資料
資料名:「2016年版 変貌するコメビジネス・米飯市場の展望と戦略」
http://www.yano.co.jp/market_reports/C58108200
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