浜松ホトニクスでは、光半導体素子の売上拡大に伴う後工程(組立・検査)の生産能力増強を目的として、新貝工場に新たな施設を建設する。2017年2月に竣工を予定しており、需要が大きく拡大している自動車やヘルスケア分野のほか、農業などのビッグデータ・ビジネスに対応するため光半導体素子の生産能力を既存工場も含め、月産1,000万個へ増強する。
<新工場建設の背景>
当社は、やがて来るIoT(Internet of Things)時代に向けて提唱されている「トリリオン・センサー社会」(毎年1兆(トリリオン)個のセンサを活用する社会)への対応として、需要が拡大している光半導体製品の後工程(組立・検査工程)の生産能力を増強します。
「トリリオン・センサー社会」では、FA、自動車、ヘルスケア、農業、通信、社会インフラなどに多種多様なセンサを付加し、センシングしたデータを社会や生産、生活に役立てるという狙いがあり、今後も各種センサの需要拡大が期待されています。
当社では、先端光技術の開発に取り組み、様々な市場にセンサとしての光半導体素子を供給しています。近年では、不可視(X線検出)画像、自動車、およびヘルスケアなどの用途における需要が拡大しています。また、センサ需要の拡大と共に、センサの実装体積を最小化する傾向となっており、薄型・小型・軽量の製品が求められてきています。
新棟では、需要が拡大している不可視画像用途の手荷物検査装置向けX線検査用素子や、自動車の衝突防止・自動エアコン・自動ライト・自動ワイパー・車内光通信用途などの受発光素子、医療機器向けのMPPC(R)(Multi-Pixel Photon Counter)およびヘルスケア用途のウェアラブルセンサなどの生産を行います。
大量生産を前提とした生産ラインを構築し、樹脂モールドパッケージ、チップオンボードパッケージ、プリモールドパッケージなどの組立工程および検査工程を計画しています。新棟建設に伴い、既存の3号棟と合わせた新貝工場全体の生産能力を、月産400万個から月産1,000万個に増強します。
新貝工場では現1号棟(管理棟)と3号棟(製造棟)の2棟が既に稼働していますが、新棟に管理機能を統合し、老朽化が進んでいる現1号棟を撤去します。これにより、新貝工場全体の災害対策を強化し、事業継続力の強化を図ってまいります。
<新棟概要>
・建物名称:新貝工場1棟
・建築場所:静岡県浜松市南区新貝町1128 新貝工場3号棟南側
・建築工期:2016年4月着工、2017年2月竣工予定
・稼働予定:2017年4月
・建築構造:鉄骨造4階建
・建物面積:建築面積2,659m2、延床面積9,342m2
・施設構成:
1階 受付、組立工程(クリーンルーム クラス10,000)
2階 組立工程(クリーンルーム クラス10,000)
3階 製品検査・梱包工程
4階 食堂、会議室、製造事務所
・総工費:約28億円
・収容人員:約300名
・生産品目:光半導体素子
・生産能力:月産600万個
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