国土防災技術株式会社が開発した植物活性効果のある“純国産フルボ酸”などを含む「人工腐植技術」は、これまで森林緑化等の環境改善にて公共事業を中心に利用され大きな成果を上げてきましたが、近年では塩害等により荒廃した水田の復旧活動においても利用されている。
同技術により、千葉県武市の塩害を受けた水田が、2015年3月にフルボ酸を撒いて半年が経過した現在、2年前まで10aあたり1俵しか収穫できなかった水田を9俵にまで飛躍的に改善することに成功した、という。純国産フルボ酸を用いた「人工腐植技術」は、将来的に森林緑化支援から農業支援まで幅広い用途が期待されています。
※ フルボ酸とは
フルボ酸は、自然界では微量にしか生産されない貴重な資源で、通常は腐植土壌に多く存在します。腐植土壌とは、森林生態系において地上部の動植物により生産された有機物が堆積し、微生物により分解されて土状になったものです。
またフルボ酸は、もともと森林や土壌の中に存在する有機酸の一つで、植物にミネラルを補給する役目を担っています。フルボ酸は植物が必要とする肥料の交換能力を高め、効率よく肥料吸収を図り光合成量を向上させ、酷暑期の耐性を高める効果もあります。
■純国産フルボ酸使用「人工腐植技術」について
自然界では1cm形成するのに100年の時間を要していた腐植土壌の形成を技術的に可能にし、海外の採掘資源より高い性能を有する人工腐植土及びフルボ酸を造成することに成功しました。
一般的にフルボ酸はほぼ海外輸入品に頼っていて、海外の腐植土層を破壊し環境悪化を招いているともいわれています。その点、国土防災技術株式会社のフルボ酸は国内森林資源のみを使用している純国産であるばかりでなく、林野庁の指導のもとに伐採しており森林整備にも協力。自然に優しい製法で輸入に頼らず、さらに日本の森を豊かにする画期的なフルボ酸です。
<開発の背景>
森林が伐採され裸地のまま放置されると、それまで長い年月をかけて形成されてきた栄養分豊かな腐植土壌が雨によって流され、栄養分をほとんど含まない無機土壌層が表面に露出。そのため植生の復元が著しく遅くなります。
このような状況を改善するためバーク系資材を用いた緑化工事が行われてきましたが、自然に近い土壌に近づけるためピートモス等の海外の採掘資源を長年活用してきた経緯があります。しかし近年、環境に対する関心度が高まり、国内の緑化資材の自給的資源開発と有機質資材の性能向上が望まれてきました。
国土防災技術株式会社は、そのような要望に応えて、純国産フルボ酸使用「人工腐植技術」を開発しました。
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