三菱樹脂株式会社では、中国における農業ハウスの大型化、近代化に伴うフィルムの高機能化を見込み、中国で普及が期待される温室ハウス用の長期使用が可能な農POフィルムを現地にて生産するため、新会社を設立し、工場の開業式を実施した。以下では同社によるプレスリリースを掲載しておく。
中国 無錫市の農業ハウス用高機能フィルム工場の竣工について
2013年08月07日
三菱樹脂株式会社(本社:東京都千代田区 社長:姥貝 卓美)は、中国・江蘇省無錫市に設立した農業ハウス用高機能フィルムの製造・販売子会社 無錫菱樹農用薄膜材料科技有限公司(本社:中国江蘇省無錫市、董事長:大林 厚、以降 無錫菱樹社)の工場が完成し、本日、現地にて開業式を実施しましたので、お知らせいたします。
当社の農業資材事業は、子会社の三菱樹脂アグリドリーム株式会社が農業ハウス用フィルム等を製造し、主に国内を中心に事業展開しています。一方、中国は、既に日本の70倍以上の施設園芸面積を有し、かつ今後も施設面積の拡大や農業ハウスの大型化、近代化に伴うフィルムの高機能化が見込まれています。
そのような状況のなか、当社は、中国で普及が期待される長期使用性(2〜5年)を有する農業ハウスの外張り用ポリオレフィン系フィルム(以降、農POフィルム)を現地にて生産し、中国市場に供給するべく、約20億円を投じて、現地子会社(無錫菱樹社)を設立し、その工場の建設工事を進めてまいりました。そして、今春、工場が完成し、8月より営業運転に入ったことから、本日、現地にて開業式を実施しました。
開業式には、無錫市や無錫市錫山区、錫山経済技術開発区の幹部他関係者、工事関係者、中国の顧客など、総勢約80名が出席し、社長の姥貝は「今日という良き日を迎えることができましたのも、多くの関係者のお力添えがあってのことと心より感謝申し上げます。
これからも、高品質、高性能な製品をより低コストで提供し、中国での安定した農業生産、安全安心な食品づくりに貢献してまいります」と述べ、無錫菱樹社の董事長である大林は「歴史と伝統、また自然環境にも恵まれたこの無錫で、お客様のため、従業員のため、中国のため、日本のために貢献できる会社を目指し、努力してゆく所存です」と述べました。
当社グループは、農POフィルムを農業ハウスの外張り用フィルムとして中国市場に広く供給していくことに加え、三菱樹脂アグリドリーム社が2011年から中国において実証実験を行っている太陽光利用型植物工場※向けのフィルムとしても使用するなど、中国での農業資材関連事業の拡大に向けて積極的に取り組んでまいります。なお、無錫菱樹社の2015年度の売上目標は20〜30億円です。
※三菱樹脂アグリドリーム社の太陽光利用型植物工場は、人工光を用いた完全閉鎖型の苗生産装置で苗を育て、その苗を、農POフィルムなどの高機能フィルムを使用して環境条件を制御した農業ハウス内に移し、養液栽培で周年計画的に野菜を生産するシステムです。
【無錫菱樹農用薄膜材料科技有限公司の概要】
所在地:中国江蘇省無錫市錫山経済技術開発区尤沈路79号
設立:2012年5月21日
資本金:8億円
株主:三菱樹脂株式会社 100%
代表者:董事長 大林 厚、総経理 吉本 和宏
事業内容:農POフィルムの製造販売
生産能力:約4,000t/年
工期:2012年9月着工、2013年8月稼働開始