日立製作所は、ドーム式の太陽光利用型植物工場システムの開発・農産物生産販売ベンチャーの株式会社グランパに出資し、農業関連ビジネスを両社共同で推進することで合意した。
グランパが持つ植物工場栽培の技術・ノウハウと、日立の情報通信技術を融合させたサービスを提供する。植物工場の施設管理から収穫物の販売管理までを支援するサービスを2013年10月に始める。
日立はグランパに1億円を出資し、16.7%の出資者となる。グランパに対し、植物工場での農産物生産から加工、販売までの各段階を統合して管理するシステムを、インターネットを介したクラウドサービスで提供。
グランパは施設管理、栽培管理、生産・販売管理などのノウハウを加え、植物工場を利用する生産者向けに農業運営支援を展開する。
グランパが開発した「グランパドーム」と呼ぶエアドーム型の植物工場を使用する生産者が対象となる。
グランパドームは、円形水槽の内側に植えた野菜の苗が成長に合わせて外側に送り出される仕組みで、従来のハウスと比べて2倍の生産量が可能になる。水温、気温、肥料濃度などをコンピューター管理し、内部を野菜に適した環境に制御する。
日立は日本での食料自給率の低下や、海外での人口増や異常気象による食糧危機の懸念を背景に、農業も同社が注力する社会イノベーション事業の重要な要素と位置付け、情報技術を活用した農業の高度化を検討してグランパとの協業を決めた。
グランパドームを中心に社会インフラシステムとしてパッケージにして国内のほか、世界展開を目指す。
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