小規模分散型エネルギーシステム開発のクリーン・エネルギー・ネットワークと日本大学工学部は、トラックで運搬できるバイオマス発電設備を開発した。食品などの残さが多く出る場所に移設できる利点をPRし、福島県の中小企業と連携して事業化を進める。
開発したのは、食品や農業の残さを粉砕して発酵させ、生じるメタンガスでガスエンジンを動かして発電する装置。全長10メートルのコンテナに粉砕機や加水分解装置、発電装置などを組み込んだ。二分割して10トントラックで運搬できる。残さを1カ月に1500キロ処理し、100立方メートルのメタンガスを生み出せる。ガスエンジンの発電効率は29%程度を想定している。
温度や処理速度などの条件に工夫を凝らし、発生ガスに占めるメタンガスの濃度を約70%と「従来の設備より10ポイント高めた」という。ガスを取り出した後の液体はろ過し、不純物を固形化して肥料にする。ろ過後の液体は再利用するので廃棄物をほとんど出さない。福島県が開発費を助成したほか、川内村で今年度から始める実証試験も助成する。
Editor's Picks
-
田んぼに浮かぶホテルがコンセプト、スイデンテラスがリニューアルオープン
-
緑演舎による造園家がプロデュースする個人住宅向け「GARDENNERS HOUSE」事業をスタート
-
ミラノ都市部で自然に囲まれたオフィス空間を実現。ハイテク企業や研究者のハブ施設へリニューアル
-
シンガポールの高層住宅タワーをリニューアル。屋上には住民参加型の菜園も整備
-
メルボルンに駐車場スペースを活用した屋上農園「スカイファーム」が来年に完成
-
台湾の青果市場、屋上に農場を導入した最新施設として2020年に完成予定
-
ロンドン、屋上に植物工場ファームを併設した地元フードコート施設を開設
-
UAEの陸上養殖ベンチャー『Fish Farm社』サーモンなどの魚を本格販売へ
-
カナダの大学が連携。クリーン・エネルギー技術を活用した『高層タワー型の植物工場』を計画
-
海面上昇の対策、海洋に浮かぶ街「フローティング・シティ」食料やエネルギーの自給自足を実現