センサー製造や照明器具の販売を手掛けるサカ・テクノサイエンス株式会社では、広さ10平方メートル程度の小型植物工場を開発、2013年4月より販売を開始する。同システムは、量産タイプの植物工場では数個にとどまるセンサーを30個程度配置し、温度や湿度、光合成に関連する二酸化炭素の量などを綿密に管理できる点が特徴。野菜の増産技術を研究する大学向けや、店内で育てた葉物類を食材に使う飲食店向けに売り込む。3年間で2億円程度の売り上げを目指す。
工場内の環境や養液中のカリウムやカルシウムといった成分の濃度は全てパソコンで指示でき、無人で栽培できる。生育状況は内部に設置したウェブカメラで確認する。主力のFA(工場自動化)用センサーで培った技術を生かし、工場内の環境を自在に制御するシステムを作成した。
細かいデータの取得や様々なパターンの環境を試すことが予想される大学・研究機関向けはセンサーを30個前後搭載することを想定し、価格は2000万〜3000万となる見通しだ。一方、レストランなどの店舗併設型には、センサーを20個程度、価格は1000万円前後にする、という。販売の際には、センサー類のほか、養液を含む培地を支える架台など必要な機器をセットで提供する。
同社の売上高は約7000万円。FA用以外にセンサー技術が生かせる領域として植物工場に着目。生産品目を葉物から根菜類に広げようといった技術革新が進みつつあり、研究用機器のニーズが高いと判断し2012年から開発を進めてきた。(参考:2013年1月22日、日経産業新聞より)
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