サウジアラビア、中国の影響を受け青果物の調達価格30%以上の高騰

 自国の自給率より海外からの食料輸入や海外農地獲得を積極的に進めているサウジアラビアでは、今まで輸入していた国・業者からの果物・野菜の調達価格が高騰している、という。

異常気象など気候条件だけによる価格高騰だけでなく、中国にも原因があるようだ。中国では自国生産だけでは、国内供給量が不足しており、世界各国から果物や野菜の輸入確保を進めており、こうした活動が取引先であったサウジアラビアにも影響を与えている、という。以下ではAl-Hayat誌の記事を紹介する。

サウジアラビア、中国の影響を受け青果物の調達価格30%以上の高騰

サウジアラビアの青果市場について

サウジアラビアの青果市場では、商品が十分に供給されているのにもかかわらず、様々な品目が、予想に反し、顕著な値上がりを記録した。これにより、生鮮食品の記録的な価格を敬遠して、缶詰の野菜や果物などの代替品を求める声が高まった。

本紙は、リヤド北部への現地調査で、様々な種類(の青果物)が豊富に揃っているにもかかわらず、購買意欲が低いことに加え、購買量も少ないことを観測した。

市場の労働者らによると、朝は購買意欲が低く、正午にはそれがほとんどなくなる。それなりの購買意欲がみられるのは、アスル(午後)の礼拝からアシャ(夕刻)の礼拝までの間で、これが最も売買される時間帯だと考えられるという。

果物用冷蔵庫を所有するアブー・ムバーラク氏は、「ほとんどの種類の果物は、特定の期間にだけ市場に出回る。ザクロやブドウなどは季節ものであるため、期間が過ぎると出回らなくなる。しかし、リンゴ、バナナ、オレンジなどの果物は、一年中、十分に供給されている」と語る。


「ムハンマド・シャルバトリー」社のサイフッラー・シャルバトリー総支配人は、サウジアラビアにおける果物の値上がりは、「気候、大幅な輸送費の高騰、生産コスト」など数多くの原因によるものだとした。

本紙への発言では、気候的要因が、「豊作の助けとはならなかったため、市場では果物が不足している」との見解を示した。また、この値上がりを「特に中国やインドなどの世界市場から、我々の輸入取引先でもある果物輸入業者が、大量に新規参入していること」に結びつけた。
 
サイフッラー総支配人は、「我々は、米国産のリンゴを輸入するために、ワシントンを訪問した際、面会した生産者らによると、すでに中国からの輸入業者の来訪団が訪れ、価格を30%上乗せしていった。そのため、商品を確保するには、我々も同じ金額を払わざるを得なかった」と明らかにした。

同総支配人は、中国の卸業者が、「あらゆる市場から様々な価格で果物を輸入しており、これによって輸入果物の値上がりが起こった」と述べた。また、「来年は豊作だと予測すれば、来年の価格は安定するだろう」と予想した。