木材チップを燃料にしたビニールハウス向けの暖房システムを開発した。クレーンで建築廃材などをつかんで炉に投入し、夜間も自動運転できるのが特徴。同社が持つ金属加工技術を使った新規事業として初めて開発した。原油価格高騰により燃料費を削減したい農家向けに、今秋の発売を目指す。
廃材を保管する箱からクレーンが適量をつかみ、農業用ストーブの炉に投入する。投入の際、燃料が燃え上がらないよう、自動開閉する機構を付けた。
タイマーを設定すれば燃料を自動供給でき、夜間でも無人で稼働できる。廃材や剪定(せんてい)した枝など様々な形状の廃材をクレーンでつかむ技術が売り物といい、「チップ材自動供給加温システム」と名付けた。厳密な温度管理には向かないが、主に野菜栽培のハウスで、内部の温度が氷点下になるのを防ぐといった用途を見込む。
1時間に約10キログラムのチップ材を燃料として使う。廃材業者などから1キロ数円程度で購入できるといい、灯油やA重油を使う通常のビニールハウス用暖房装置に比べ、燃料費を3割程度に抑えられるという。1台で300平方メートル程度のビニールハウスを暖房でき、販売価格は1台100万〜150万円と、既存装置とほぼ同等の導入コストを目指す。
3月から飯山市のビニールハウスに設置して実証実験を始めた。今後、改良を加えて暖房が必要になる前の9〜10月をめどに発売、初年度10〜20台の販売を目指す。同社は須坂市に本社と工場を持ち、半導体関連の電子部品を製造する。2011年12月期の売上高は8億5000万円だった。製造業の海外移転が進む中、異業種への参入で経営の多角化を図る。<参考:日本経済新聞より>
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