北海道フード・コンプレックスが総合特区に認定予定。強い農業づくり/食産業の高付加価値ビジネスを展開

規制緩和などで地域の競争力を高める国の国際戦略総合特区を巡り、道や北海道経済連合会などが提案していた「北海道フード・コンプレックス」(HFC)が12月22日にも認定を受ける予定。環太平洋経済連携協定(TPP)交渉参加を機に「強い農業づくり」が全国的な課題となるなか、食産業の付加価値を高めることで成長著しい東アジア市場の開拓を目指す内容が評価された。
 

<図:北海道経済連合会ウェブサイトより>

 
副大臣クラスで構成する特区のワーキンググループが19日開かれ、最終選考に残ったHFCの認定に異論は出なかった。これを受け、政府は22日にも正式決定する。国際戦略総合特区には全国から応募のあった11件のうち7件が最終選考に残り、HFCを含めた数件が認定される。大学・研究機関が集まる札幌・江別、畑作や酪農の一大拠点である帯広・十勝、水産物の加工研究が進む函館??。HFCは特色のある道内3地域が連携して相乗効果を生み出し、長年の課題である道内食産業の高付加価値化に取り組む。食産業の研究開発や輸出の拠点づくりを推し進め、拡大傾向にある東アジア市場の開拓に乗り出す。
 
 
東アジアの食品市場は2016年には175兆円に倍増する見通し。HFCは農水産物の生産から市場調査、製造、流通、輸出までのバリューチェーン(付加価値の連鎖)を構築。海外販路を拡大することで16年度までの5年間で、累計1300億円の売り上げ増加を目指す。
 
 
食材をそのまま輸出するのではなく、健康食品など付加価値の高い製品に加工することで、国際競争力を強めていく。HFCでは新商品の開発を後押しする「食品試作・実証プラットフォーム」の設立を計画するほか、輸出支援のネットワーク化も進める。特区申請では規制緩和などで約50件の特例措置を要望した。研究開発で海外からも優秀な人材を確保するため、外国人研究者の永住許可などの緩和を求めた。手続きなどが煩雑な機能性食品の表示制度の緩和にも取り組む。<参考:日経速報ニュースより>