廃校を利用した地域活性化・植物工場導入事例(詳細記事)として以前にもご紹介した、農産物直売所「昭和の学校・元気村」が10月30日で、閉校することになった。同施設は佐賀市富士町の旧富士南小の木造校舎を再利用した農産物直売所として利用され、新鮮な地元野菜を販売、「給食スタイル」の食事も提供し、県内外の観光客でにぎわったが、ここ数年は売り上げが伸び悩んでいた。地元住民や観光客からは「昔ながらの学校の雰囲気を味わえる施設だったのに」と惜しむ声が上がっている、という。
直売所は市から借りた旧校舎を改築し、2005年12月にオープンした。教室、廊下には児童の作文や習字を貼り、跳び箱や保健室の視力検査機なども展示。児童用の机や椅子を使ったレストランでは地元の食材で作った「給食スタイル」の食事ができ、県内外から観光バスが訪れるなど人気だった。特に福岡県からの客が多く、レストランは9月だけで約500人の予約があった。
しかし、毎年冬場は客足が鈍り、「元気村」を運営するアルミス社は「赤字が増え、閉店せざるを得なくなった」と話す。唐津市からグループで訪れていた買い物客は閉店の知らせを聞き、「市価より安い新鮮野菜がそろっていた」「小学生に戻った気分で、食事を味わえる貴重な場所だったのに」と残念がっていた。
「元気村」では09年から教室に蛍光灯や反射傘を設け、プランターを重ねた棚でサニーレタスなど葉物野菜を水耕栽培してきた。現在は3教室で約1万株を栽培、1日平均約300株を収穫しており、今後は直売所跡を利用した根菜類の人工栽培など「植物工場」の拡大を目指す。直売所閉店後も、中庭はコミュニティー広場として住民に開放する。 <参考:佐賀新聞より>
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