米国ニューヨークでは、いくつかの本格的な屋上ファームが稼働しているが「Riverparkファーム」もその一つである。特に使用していなかった屋上スペースを活用し、数ヶ月間で巨大な屋上アーバンファームを完成させている。
本ファームはNY・マンハッタンの巨大タワー群の中にあり、NY市民からも注目を集めている建物である。
NYには、地産地消(店産店消)を実現するため、レストランのある高層タワーの屋上内で栽培する事例も増えているが、本ファームのように巨大な屋上スペースにて栽培する事例は珍しい。例えば、本ファーム(本格稼働時)では、キュウリだけでも収穫シーズンになると平均して1日20~40kgにもなる、という。
現時点では、栽培を開始してから1カ月程であり、トマト、ニンジン、キュウリ、レタス、ハーブなどの様々な野菜6,000株を栽培しており、周辺のレストランにも供給をスタートしている。
ただし、一時的な栽培場所となっており、2012年の秋には近くの高層タワー屋上に本格的な屋上ファームを稼働させる予定である、という。
※ 既に「Riverparkファーム」は本格稼働しており、公式サイト上から確認できる。
農場では水耕栽培のような設備はなく、土を入れた木製の箱でシンプルな栽培方式を採用している。栽培箱は人の手で持ち運びできることから、季節によって日光が当たる場所に移動することもできる。
本屋上ファームは、不動産開発会社(Alexandria Real Estate)や建物内のレストランオーナー、ファームの管理を行うNPO法人(GrowNYC)、さらには周辺住民が連携しながら、地産地消を拡大させている。
生産した野菜は周辺のファーマーズマーケットにも販売し、周辺住民にも「Riverparkファーム」が認知され、建物内のレストランや施設の集客増にも結び付いているようだ。
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