北海道の産業廃棄物処理業の協和環境サービスが経営の多角化として昨年から、高級食材として知られるエビイモなど京都の伝統野菜をビニールハウスを利用して実験的に栽培している。道内の冷涼な気候は京都が主産地の野菜の生育には適さないとされてきたが、ビニールハウスで育苗することで低温の影響を抑え、安定生産を図りたい考えだ。
同社は2004年、三岱地区に産廃処分場予定地として105ヘクタールを取得したが、事業化のめどが立たないため、このうち約1ヘクタールを試験農場として利用している。京都の伝統野菜は「京野菜」ブランドで知られ、高値で取引される。ただ道内で本格栽培は行われていないという。
昨年はエビイモを中心に露地で栽培。夏は記録的な猛暑だったが、春と秋の低温で生育不良となり、サイズは小ぶりだった。この反省から今春はハウスで育苗し、今月7日に農地に定植した。エビイモのほか、金時ニンジン、九条ネギなどにも挑戦している。
同社社員は週1回、農地に足を運び、生育状態をチェック。残る大半の農作業は町内濁川の農業高瀬昭雄さん(67)が全面的に協力している。今秋、安定した収量を確保できれば、もう1、2年で軌道に乗せ、農業生産法人を設立して本格生産に入る方針だ。同社は「冷涼な気候が最大のネックだが、温暖化の追い風も吹く。何とか乗り越え、事業を成功させたい」と意気込んでいる。<参考情報:北海道新聞より>
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