高収量・採算性を実現したサステナブルな食料生産システムを提案(Except社)

 過去にも球体型の植物工場を提案する「Plantagon」について紹介したが、今回はデザイン・コンサルタントのExcept社の「ポリドーム(Polydome)」について概要情報を記載する。

オランダを活動拠点とする同社では、現地の施設栽培・ガラスハウスメーカーなどと連携しながら、ポリドーム(Polydome)という食料生産システムを提案しており、例えば都会の屋上といった省スペースな場所であっても、採算性の合う農業・食料生産ビジネスを実現させるために、様々な研究開発を行っている。

都市型農業の新しい形、デザイン性に優れた球体型植物工場を提案(Plantagon)

このポリドーム(Polydome)では、60~90kg/平方メートルの高い生産性を実現しながら、50種類以上の作物やキノコ、鶏、魚や養鶏の栽培・飼育が可能である。
※ 写真は同社WEBサイトより引用

高収量・採算性を実現したサステナブルな食料生産システムを提案(Except社)高収量・採算性を実現したサステナブルな食料生産システムを提案(Except社)
 ポリドーム(Polydome)では、高い生産性と同時に、完全循環型・自然サイクルをドーム状で再現しており、植物の不要な部分や魚・動物などの廃棄物は全て堆肥化され、廃棄物はゼロとなるサステナブルな食料生産であり、高収量・採算性にも配慮されたシステムである。

例えば、高収量・採算性を実現するために、土壌栽培だけでなく、水耕・多段式による栽培方法やアクアポニクスも導入しており、可能な限り、その地域内にて高値で取引されるニッチ市場(例:ハーブやキノコ)を狙った作物を中心に栽培する、といったモデルが計画されている。

現在のところ、まだまだ技術的にも課題が多く残っているが、同社では研究開発に対しても他社とは異なる戦略・コンセプトを採用しており、ハイテク技術によって植物工場のように工業化を進めていくのではなく、最新技術と画期的なデザイン・設計によって、小さなドーム状の中で、できる限り自然に近い生態系を再現・維持することに重点を置きながら開発を行っているようだ。