米国では、大量生産を目的とした大規模な工場生産(ファクトリー・ファーム)によって、私たちは、牛肉や鶏肉、卵や牛乳といった日用食品を低価格で入手することが可能になった。
こうした大規模な工場生産にはリスクもあり、一部の施設では、不衛生な狭い所に動物が押し込められ、短期間で成長させるための成長ホルモン投与、病原菌の繁殖を抑えるための抗生物質の投与が行われているケースもある。
米国では、地方の経済を下支えしている小規模農家も、工場生産した低コストの食材に販路を奪われており、非常に厳しい状況に直面している。例えば、米国の工場生産は2005年から2年間だけでも、約20%も増加している。
こうした状況を地図上で確認できるサイトが「Factory Farm Map(http://factoryfarmmap.org/)」である。
※ 写真:2007年、全ての日用食品(牛肉・豚肉・牛乳・卵・鶏肉)における工場生産分布
Factory Farm Mapには、工場生産に関する様々な統計データ(州ごと)もあり、役立つ情報を提供してくれる。今後も米国では、工場生産の増加が予測されているが、野菜を栽培する植物工場のように、最適な飼育環境を実現できる環境制御技術を導入し、新たな形の工場生産も、近年は拡大しつつあるようだ。
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