自社の配送センター内の空き倉庫にて、完全人工光型植物工場の研究(山梨通運)

山梨市の運輸倉庫業の山梨通運(株)は、平成22年4月から農林水産省の植物工場リース支援事業を活用して、自社の空き倉庫を利用した野菜の水耕栽培を開始した。700万円程の完全人工光の植物工場にてリーフレタスを栽培しており、農水省より半分の費用を助成されている
 
 
植物工場の研究は、同社社員が将来的に高齢化し、運送業務に就くことが困難になることを見越して、安全で働きやすい業務を確保することを目的に始めたもの。施設は、同社配送センターの空き倉庫内で、温度を一定に保ったケース内に幅60cm、長さ6mのトレイを5段に重ね、成長に必要な周波数の光と専用の培養液を使う構造となっている。
 
 
野菜は、種まきから約1か月で収穫でき、昼夜の変化がないことから露地栽培より「えぐみ」がなく、栄養価の高い野菜になるという。現在は試験的にリーフレタスを栽培しているが専門知識がほとんどなくても栽培は可能なため、将来的には販路が確定し次第、規摸を拡大していく予定である
 
 
同社社長は「社員が高齢になり、社内で農業という異業種であっても働いていけるようにすることが大切。今後も農業分野での業務拡大を計画している」と話しているが、こうした目的にて参入する事例は相次いでいる。自社内の雇用確保・収支均衡程度の事業を目指す企業、新たな事業の軸として国内外への展開を目指す企業など、その将来的ビジョンは各企業によって異なるだろう
 
自社の配送センター内の空き倉庫にて、完全人工光型植物工場の研究(山梨通運)

本文章・写真は関東農政局のWEBサイトより参照