酪農・畜産向けIoTソリューションを提供する株式会社ファームノートは、人工知能を活用した牛向けウェアラブルデバイス「Farmnote Color」の新機能として、肥育牛向け「起立困難検知機能」の試験提供を開始した。
■肥育牛の起立困難事故とは
肥育後期において牛が横になった状態から起き上がれなくなることがあり、その起立困難な状態のまま放置すると肺が圧迫され、牛が窒息死をしてしまうことがあります。
肥育牛の起立困難による死亡事故は年間1~2%程度発生するといわれ、1頭あたりの損害額は約100万円にのぼることから生産者にとっては大きな課題と認識されています。
■起立困難事故による潜在的損失額は年間推定46億円
国内畜産生産者の約15%を占める、肥育後期牛347,500頭と約6,800戸の生産者(※2)に起立困難事故のリスクがあり、その潜在的損失額は年間推定で46億円(※3)にもおよびます。
現状では事故を防ぐために牛舎の見回り等で対応している生産者も多く、夜間の牛舎巡回は肉体的にも精神的にも負担が大きいことから、労働生産性を下げる要因となっています。
■起立困難事故を減らす検知機能
Farmnote Colorが牛の行動データを収集。そのデータを人工知能が牛の起立困難状態の判定、検知を行い、生産者様のスマートフォンやタブレットにプッシュ通知でおしらせするものです。
■Farmnote Colorとは
「Internet of Animals(※4)」を実現する牛向けウェアラブルデバイス。牛の首に装着したデバイスがリアルタイムに牛の活動情報を収集。人工知能を活用して反芻・活動・休憩データから発情や疾病兆候を検知し、酪農・畜産生産者の生産性向上に貢献する製品です。
▼牛向けウェアラブルデバイス「Farmnote Color」
https://farmnote.jp/color/
※1 IoT:Internet of Things の略。ものとつながるインターネット
※2 農林水産省:畜産統計2020より
※3 起立困難による年間死亡事故率を1%と仮定。農林水産省「食肉流通統計」、日本食肉各付協会「過去の格付結果」、日本食肉市場卸売協会「牛枝肉 頭数・価格」、家畜改良センター「平成30年度枝肉成績とりまとめ概要」の各データよりファームノートが独自に試算。459,297頭(2019年度の和牛屠畜頭数)/99×100万円(1頭あたりの推定損失額)
※4 Internet of Animals:の略。インターネットデバイスを動物に取り付けてそのデータを収集・分析すること。ファームノートが提唱。
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