イギリス・イングランド北西部のリバプールにて活動する「ファーム・アーバン社」は、街が閉鎖(ロックダウン)され、隔離された住民のために、タワー型の植物工場にて生産した野菜の提供支援を開始した。
具体的には、各家庭へ全ての野菜を配送することができないため、地元のNPOフードバンク、教会へ寄付を実施した。
植物工場ビジネスによる
社会起業家(ソーシャルアントレプレナー)
同社は昨年に設立され、タワー型の水耕栽培(完全人工光型植物工場)にて、葉野菜やエディブルフラワー(食用花)を生産する組織である。ソーシャルアントレプレナー(社会起業家)に近い活動を行っており、地域コミュニティーへの支援を主目的に活動している。
生鮮野菜を地域住民へ供給するため「Greens for Good」プロジェクトをスタートさせ、基本的には週1回、契約した家庭や学校、病院といった場所に定期宅配を行っている。
専門学校にある地下空間を利用して植物工場を設置
同社が運営している植物工場は、イギリスのリバプールにある専門学校「Liverpool Life Sciences UTC」の地下空間を利用している。学校側の支援もあり、共同研究や生徒による運営参加も行っており、一部ではアクアポニクスによる水耕栽培の実験にも挑戦している。
新型コロナウイルスによって、街が閉鎖(ロックダウン)した現在でも野菜の生産を継続している。ヘアキャップやマスク、消毒などの衛生環境を徹底しており、作業員の体調チェックや施設内での作業員の距離にも配慮している、という。
現在は、定期宅配の契約者に対して、週1回・段ボール200個分を供給しているが、今後は生産施設の拡大を目的に、屋上スペースにて、太陽光を利用したタワー型・植物工場も計画している、という。