世界の小規模農家を支援する英国Wefarm社、シリーズAとして約14億円の資金調達を実現

 世界の小規模農家をデジタル・ネットワークにて支援するWefarm社(英国ロンドンが拠点)は、シリコンバレーのベンチャーキャピタル「True Ventures」などから、シリーズAとして、約14億円(1,170万ユーロ)の資金調達に成功した。

同社は2015年に設立したベンチャー企業で、主に、アフリカの小規模農家への支援に力を入れており、具体的には「ケニア、ウガンダ、タンザニア」などを中心に、190万人以上の小規模農家が同社のサービスに登録している。

世界の小規模農家を支援する英国Wefarm社、シリーズAとして約14億円の資金調達を実現
こうした小規模農家では、スマホによる高速通信は難しいが、90%以上が携帯を保有しており、ショートメッセージ(SMS)などを介して、簡単な文章の送受信が可能である。

近年では、銀行口座の開設が難しい人々でも、電子決済による取引が日常的に行われており、同社が構築したプラットファーム・サービスでも、農業に関する質問や回答を誰でも、ショートメッセージ(SMS)で受け取ることができる。

世界中に存在する小規模農家10億人を支援

世界には1日1ドル以下の収入しかない、生活が厳しい小規模農家が5億人もいる、と推計されている。例えば、アフリカの多くの地域では、欧米などの先進国と比較すると、5分の1以下の収量しかないが、こうした小規模農家が、世界の食料生産の70%近くをまかなっている、と言われている。

収量や収入の差には、資本力やテクノロジーが大きく影響しているだけでなく、根本的な問題として「情報格差」がある。小規模農家では、インターネットも利用できず、栽培方法や今後の天候情報、最適な取引・市場価格も分からないまま農業を行っていることが多い。

こうした「情報格差」を無くすため、同社では、携帯のショートメッセージ(SMS)などのシンプルな方法で、農業ビジネスや栽培管理に関する実践的な情報について、誰でも質問・回答を受け取ることができる仕組みを構築している。

世界の小規模農家を支援する英国Wefarm社、シリーズAとして約14億円の資金調達を実現

世界の小規模農家を支援する英国Wefarm社、シリーズAとして約14億円の資金調達を実現
既に「190万人」以上が、同社のサービスに登録。アフリカを中心に、登録・利用者が急激に増えている。