ロームグループのラピスセミコンダクタは、農業法人や農業分野のICTサービスベンダ向けに、土壌センサと低消費電力マイコンの技術を活かした土壌センサユニット「MJ1011」を開発しました。
これにより農業圃場管理において重要な土壌環境情報の見える化が可能になります。
土壌センサユニット「MJ1011」は、直接土の中に埋め込むことで、EC(電気伝導度)、pH(酸性度)、地中温度、含水率などの土壌環境指標を同時にリアルタイムで測定することが可能です。
半導体方式の土壌センサやAFE(アナログフロントエンド)チップ、16bitローパワーマイコンML620Q504Hなどラピスセミコンダクタオリジナルのチップセットを搭載。低消費電力と小型化を実現し、ソーラーパネルを使ったシステムにも有効です。
定量的にデータを蓄積することで、栽培や管理へのフィードバックができるため、経年データの比較や将来予測などによる生産性向上および品質管理への貢献や、スーパーなど販売店への安定した出荷などへの効果も期待されます。
本製品は、2018年1月末よりサンプル出荷を開始し、2018年4月末より量産出荷開始を予定しています。ラピスセミコンダクタは、センサ技術、低消費電力技術などの強みを活かし、農業・社会インフラ・工場・物流等のIoTソリューションビジネスの加速展開を図り、社会に貢献してまいります
<背景>
近年農業分野では「6次産業化」が注目を集め、圃場へもICTの導入が行われてきています。栽培や加工・流通情報などのデジタルデータ化や管理が進められる中、栽培工程は天候などの状況に左右されやすく、管理のボトルネックとなっていました。
栽培工程の見える化のため、圃場環境情報をリアルタイムでモニタリングしたいというニーズに対して、従来は土壌の採取後に評価施設で分析する必要があり、数メートルで大きく変化する土壌環境のリアルタイム計測や広範囲の土壌情報を同時に取得することは困難でした。
このような中、ラピスセミコンダクタは半導体技術をベースにした土壌センサを開発。得意とする無線通信や低消費電力マイコン技術などと組み合わせ、農業IoTソリューション分野での実証実験を行ってきました。
そして今回、実証実験結果などを踏まえ、土壌センサユニットMJ1011を開発し商品化しました。
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