日本ガス株式会社(鹿児島市)は、液化天然ガス(LNG)の冷熱を利用した完全人工光型の植物工場を鹿児島市内に新設し、12月をメドに操業を開始する。
設備投資額は約3億8千万円を見込んでおり、施設面積は約900平方メートル。当初の生産規模は1日2千株を予定しており、レタスを中心に葉野菜類を生産、ホテルやレストラン、食品卸などに供給し、青果市場にも出荷する、という。年間の売上高は7000~9000万円を目標としている。
同社では、都市ガスの原料である天然ガスを、オーストラリアなどの産ガス国から-162℃に冷却・液化したLNG として輸入しています。このLNGを気化させる時に発生する冷熱は、大手ガス事業者においては冷熱発電や冷凍倉庫に利用されています。
今回、同社が建設する植物工場はLNG冷熱を栽培時の冷房に有効利用する仕様となっており、完全人工光型植物工場の課題とされる空調コストの低廉化を図っています。これまでLNG冷熱を空調へ利用した植物工場の稼働実績は世界的にも例がなく、LNG 冷熱有効利用の新たな取り組みとなります。
また、この取り組みは経済産業省の平成27 年度の「農商工連携等によるグローバルバリューチェーン構築事業」に採択され、地域新成長産業創出促進事業費補助金の適用を受けました(1 億円)。
本補助事業は、農林水産物・食品の「生産」「加工」「流通」「販売」の流れで生じる課題を商工業の先端技術やノウハウを用いて解決する取組の支援を目的としています。
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