ソフトバンク・テクノロジー株式会社(SBT)は、テラスマイル株式会社と業務提携を締結し、「農業経営の見える化」「稼げる農業を支援するレポーティングとコンサルティング」等に関するサービス開発・販売を行う。
<次世代農家が抱える農業経営の課題>
次世代を担う農業従事者に対しての生産技術支援については、県の農業試験場や普及センター、農業協同組合の専門家から技術指導等を受けられる環境が整備されています。
農業経営については、一部の農業生産法人では、システムやツールを使用して組織内の様々なデータを収集・見える化し、短いスパン(毎日あるいは月次)で経営管理を行うことが徐々に浸透しつつありますが、日本の6割強を占める農協系統の農家では、年一回の確定申告書で経営状況を把握することが多い状況です。
特に、次世代農家は経営数字を知る機会が限られており、農業を事業として維持・拡大することが容易ではありません。例えば、農家が直面している課題は、「当日の出荷量に応じた想定売上がすぐにわからない」、「需要と供給のバランス(稼ぎ時かどうか)をシーズン中に把握する機会がない」、「出荷量や売上に関して地域の平均等と月次で比較する術がない」、「設備や農機等の投資効果を数字で判断できる術がない」、「気軽に生産計画と実績の管理を支援するツールが充実していない」などです。
<業務提携の概要と展望>
SBTは、農地情報プラットフォームのサービス開発およびAI農業やスマート農業などの新しい農業の実現に向けたIoTサービスの開発などを行っており、クラウドやビッグデータの分析と活用に関する知見・ノウハウを有しています。
テラスマイルは、地方創生で攻めの農業政策を掲げている自治体や、農業分野での新規事業を企画している企業を中心に、ICTやデータを活用した産地戦略のコンサルティング、農業経営の可視化・分析ツールおよびレポート提供等の事業を行っている地方発のスタートアップ企業になります。
今後、SBTは、9月からのサービス提供を目標に、テラスマイルが保有する農業経営の可視化・分析ツール及びレポート提供のノウハウを活用し、「農家の売上やコストを可視化し、地方創生や若手農家の所得向上に繋げるための農業経営の見える化サービス」と「農業経営に必要な様々なデータを組み合わせて機械学習(AI)で出荷量等を予測し、有利な条件での取引・販売、受発注を支援する分析レポーティングサービス」の開発を進めます。
将来的には、開発したサービス上に蓄積されるデータ等を機械学習で分析し、農機メーカーや農業協同組合、金融機関等の農家支援者向けにレポーティングするフィンテック領域のサービス開発も視野に、2019年度までに累計3億円以上の売上を目指します。
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