愛媛県立衛生環境研究所が中心となって研究を進めているし尿汚泥からリン資源を回収する技術の実用化に向けて、新たな実験プラントが11月末に完成し、公開された。
農業肥料として不可欠なリン資源は将来の高騰が懸念されており、100%輸入に頼っている日本では、安定的な確保が課題となっている。研究は平成24年度から環境省の補助金を獲得し、産学連携の形で愛媛大学、ダイキアクシスと共同で進められており、今年度が最終年度となる。
汚泥の焼却灰にはリン鉱石並みのリンが含まれており、硫黄酸化細菌というバクテリアを利用して汚泥の焼却灰からリンを溶出させた後、吸着剤を利用してリンを回収する、というもの。本技術の実証後は実際に農場での栽培実験を行い、リン鉱石から生成した通常の肥料との比較も必要となる。