株式会社椿本チエインは、大阪府立大学と共同で、野菜苗の優良度を検査し、優良苗を育苗パネルに移植する植物工場の自動化システムを開発した。自動化システムは、2014年9月に竣工した大阪府立大学「グリーンクロックス新世代(GCN)植物工場(葉物野菜:日産5000株)」に納入。優良苗を早い段階で選抜し、植物工場の生産性を向上させる自動化システムは世界初の試みです。
この自動化システムは、同大学の時計遺伝子診断技術を用い、緑化段階の小さな苗の活性状態を診断する「検査ロボット」と、診断結果をもとに優良苗を育苗パネルに植え替える「自動移植機」で構成されています。
検査ロボットは、植物の時計遺伝子研究を専門とする福田弘和准教授(同大学工学研究科)が開発した評価基準をもとに、播種後数日経過した苗の24 時間内の活性度の変化を評価し、合否判定を行います。
検査は600個の苗を同時に判定する仕組みで、すべての苗の判定結果は、緑化苗トレーの記録用IC タグに書き込まれます。
自動移植機は、ICタグの診断結果に基づいて優良苗を選別し、育苗パネルに移植。ロボットハンドの動きを巧みに制御し、300個の緑化苗が育つウレタン製マットを個別の苗の大きさに分離させながら、育苗パネルの適切な位置に挿入します。これは当社独自方式により実現しました。