食品スーパー大手のバローは年内に複数の農業法人を傘下に収め、農業分野に本格進出する。今秋、第三セクターでブナシメジを栽培する農業法人を子会社化する。さらに3〜4の農業法人を傘下に収め、市況に左右されず農産物を安定調達できる体制をつくる方針だ。
10〜11月をめどに株式会社飛騨小坂ぶなしめじ(岐阜県下呂市)が実施する5千万円の第三者割当増資を引き受け、出資比率を現在の3割から7割に高める。同社の13年3月期の売上高は1億5500万円で、現時点で黒字を確保している。ブナシメジの出荷量の約9割はバロー向けだった。
バローは2年後をめどにブナシメジの工場を新設。売上高を3億円規模に倍増させ、店舗で販売する量の5〜6割を調達できるようにする。計画生産でき、市場から仕入れるよりもコストを約1割抑えられるという。
飛騨小坂ぶなしめじは株式の6割を下呂市が保有。経営の効率改善に向け民間に運営を任せたい市と、農産物の安定調達を狙うバローの意向が一致した。今後もバローでは施設栽培や植物工場などの農業法人の経営権を取得していく方針である。
同社は農産品の市場外からの調達比率を増やそうと自前での栽培を進めてきた。最新動向(2015年9月末現在)ではコメの栽培の他、14年には中部電力子会社でエリンギ生産の東邦産業(三重県尾鷲市)を買収した。子会社バローファーム海津(岐阜県海津市)でフルーツトマトの生産も行っている。
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