北大とNTTグループなど、スマート農業と街づくりを目指した産学官連携へ

 北海道大学、岩見沢市、NTT、NTT東日本、株式会社NTTドコモは、最先端の農業機械の自動運転技術に高精度な位置情報、第5世代移動通信方式、AI等のデータ分析技術等を活用した世界トップレベルのスマート農業の実現と社会実装を目指す、という。

スマート農業を軸としたサステイナブルな地方創生・スマートシティのモデルづくり等に取り組んでいくこと、将来の革新的ネットワーク技術のスマート農業への適用に向けて共に検討を開始することに合意し、産官学連携協定を締結した。

北大とNTTグループなど、スマート農業と街づくりを目指した産学官連携へ

日本の農業は長期にわたる就農人口の減少と高齢化、後継者不足による「労働力の不足」に直面しており、産業として維持・拡大するためには、この社会課題を早期に克服する必要があります。そのため、これらの課題解決に向けた取り組みが進められています。

北大は、岩見沢市等をフィールドとした近未来スマート農業技術の実証に取り組み、自動運転農機等のロボット化やベテラン農家の匠の技をデータ化・活用するデータドリブンな農業の実現によるイノベーション創出に取り組んでいます。

自動運転農機については現在、世界に先駆けた複数台の協調作業システムや遠隔監視による無人状態での完全自動走行(レベル3)の実証フェーズにあり、その実現に向けては、正確な測位情報が必要なことに加え、農機に搭載されたカメラからの映像情報等を、低遅延かつ信頼性を担保しながら監視拠点まで伝送することも必要です。

北大とNTTグループなど、スマート農業と街づくりを目指した産学官連携へ

また、将来は農機も動くIoT機器として位置づけられ、複数台のカメラやセンサーを搭載された農機から、作物の生育や土壌、病害虫の発生、農作業等の状況、農機シェアリングを行うための農機の空き状況等、さまざまなデータを収集し、農機以外からの情報も組合せ、AIにより処理・分析することにより、農作業者が取るべき行動を適切かつタイムリーに促す仕組みが期待されています。

岩見沢市は「農業を軸とした地方創生」を掲げ、ICTによる「市民生活(暮らし)の質の向上」と「地域経済の活性化」に取り組み、北大等と連携しながら全国に先駆けたスマート農業実現に向けた環境整備や住民の健康づくりに向けた健康コミュニティづくりの実証等を進めてきました。

また、内閣府の「近未来技術等社会実装事業」において「世界トップレベルの「スマート一次産業」の実現に向けた実証フィールド形成による地域創生」が認定される等、日本におけるスマート農業のフロントランナーとして取り組んでいます。