NTTデータとJSOL、ブロッコリーの出荷予測モデルを開発・実証開始

 株式会社NTTデータと株式会社JSOLは、JA香川県、生産者部会、香川県・市町村等と6月5日に香川県スマート農業技術推進連絡協議会を設立した。

NTTデータとJSOL、ブロッコリーの出荷予測モデルを開発・実証開始
本協議会では、NTTデータが2018年10月より提供する、営農支援プラットフォーム「あい作(TM)」(注1)を活用し、農作物の出荷予測モデルの構築を目指します。

品種ごとの栽培記録・地域ごとの気象情報・出荷管理データを分析し、地域全体で精度の高い出荷計画策定に向け、実証を進めます。

まずは、香川県内のブロッコリーにおいて出荷量の予測モデルを構築し、順次県内の他品目にも展開を見込んでいます。

今後、NTTデータとJSOLは、他の地域のお客さまの利用を目指し、生産計画作成から栽培記録の確認、承認までの業務を対象とする「あい作」のオプション機能として、出荷予測機能も展開していきます。


【背景・目的】
露地作物の栽培は、天候の影響を大きく受け、収穫量、出荷時期は年により変動するため、市場の需給バランスへの影響も大きく、農家の所得に対する影響も小さくありません。

また、産地全体の出荷量を予測するには、ベテランのJA担当者の知見と、圃場(ほじょう)・地域ごとの生育傾向把握の調査や情報収集が必要となり、多くの時間を費やします。

しかし、担い手の高齢化・労働力の減少などから、新たな営農技術体系の構築が急務となっています。


そこで、NTTデータとJSOLは「あい作」を活用し、歩留まり(注2)も含め統計分析で出荷量を予測し、生育調査等の時間削減、経験の浅いJA担当者でも、事前に出荷見込を正確に把握できる出荷予測モデルを構築します。

これにより、販売事業においても、戦略的に有利販売(注3)につなげ、農家の所得向上を目的に取り組みを行います。


【概要】
出荷予測モデルは、JA香川県や香川県、農業現場の知見・データを「あい作」上に蓄積し、ICT技術(注4)/モデル構築技術により、実用的な出荷予測を行います。

農業現場において新たな設備投資等を必要とせず、負担なく取得可能な生育状況や、累積気温などのデータから出荷時期に影響を与える要因を分析し、出荷予測モデルを構築します。

本取り組みにおいては、過去の栽培にかかわる実績データ(栽培履歴データや出荷実績データなど)を分析するため、JA香川県、香川県農業試験場にデータ提供等の協力の下、現場で使える出荷予測モデルの構築を目指します。


(注1) NTTデータ2018年10月9日ニュースリリース「営農支援プラットフォーム「あい作(TM)」を提供開始」
https://www.nttdata.com/jp/JA/news/release/2018/100900/

(注2) 収穫した農作物から、出荷できない農作物を引いたものの割合。

(注3) 早い段階で産地の出荷量を把握する事により、価格交渉を有利に進め、販売すること。

(注4) ICT(情報通信技術)とは、パソコンだけでなくスマートフォンやスマートスピーカーなど、さまざまな形状のコンピューターを使った情報処理や通信技術の総称です。