オーストラリアのクイーンズランド州を拠点とする、農業の自動技術開発を行う「SwarmFarm Robotics」は、運転する必要のない自動の小型トラクター「SwarmBot」の生産を開始する、という。
まず、自動運転技術ノウハウを持ち、共同開発を行うボッシュ社向けに、試作品として製造・納品する予定。ボッシュ社は、機械工学やシステムデザインの知識など、これまでに自社で培った技術・ノウハウを同社に提供している。
自社による実証実験では、18kwのディーゼル・モーターを搭載した小型トラクターが、1時間に8kmを移動し、除草剤の散布や収穫作業を行った。小型トラクターといっても、作業用のアーム部分は8mもあるので、同時に複数の畝を作業することができる。
ボッシュ社向けに試験販売後、最初は50台程度を製造し、今年の中頃にはオーストラリアの農家へリースとして貸し出す計画。月額リース料は、6,000ドルを想定している。
リース料のほか、部品の交換、ソフトウェアの有料アップグレード、農家への技術サポート料金などが収益源となる。また、今回の生産体制を構築するために、約1,400万ドルを資金調達した。
オーストラリアでは、大規模農業が中心で、自動化技術には注目度が高い。デモ技術を公表した2015年以降、定期的に農家から問い合わせを受けている、という。
同社では、グロバール巨大企業のボッシュ社(世界全体での売上高[2017年]は約780億ユーロ(約9.9兆円))のほか、害虫防除などでは化学メーカーのAdama社(中国の国有石油企業の中国化工集団公司ChemChinaの子会社)とも、グローバルビジネスパートナーとなり、オーストラリアだけでなく、世界市場への製品投入を急いでいく。
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