独自の水耕栽培を推進する農業ベンチャーのグリーンリバーホールディングス株式会社、クラウドIoT制御システムの開発を行う株式会社MOVIMASと、岩手県八幡平市は、耕作放棄されたビニールハウスを再生し、新規就農者を育成する「スマートファーム」プロジェクトの基本合意書を締結した。
【スマートファームプロジェクトとは】
岩手県の八幡平市では、30年以上前から地熱発電所から供給される熱水を暖房に利用したビニールハウス(通称「熱水ハウス」)での農業が行われてきた。
しかし、高齢化による就農者離れや施設の老朽化等の問題があり、現在は未活用になっている施設が多いことから、今回、農業生産法人でもあるグリーンリバーホールディングスの関連会社が、未活用の熱水ハウスで縦型水耕栽培農法を用い労働の軽減によるビニールハウスの高収益化を図る。
また、クラウドでビニールハウス内の環境制御を行うMOVIMASの栽培管理システムを導入し、農業ノウハウを共有・蓄積する事で新規就農者のスタートアップを支援することを目指すものです。
初年度は、市が借り受けている熱水ハウス5棟のうち2棟をシステムトレーニング設備として再生後、ハーブや葉物野菜の栽培実証実験を行います。
その後、実験結果を踏まえて残りのハウスも再生化し、新規就農希望者に月額固定でシステムをレンタルすることにより、新規就農者のコスト負担のハードルを下げ、地元企業や市内外からの農業参入を促します。また、生産物の販売に関しても、グリーンリバーホールディングスとMOVIMASが共同で販路開拓を支援します。
【提携の内容】
(1)八幡平市はグリーンリバーホールディングスに栽培実証実験のための熱水ハウスを提供し、稼働50年を超える松川地熱発電所から供給される熱水を活用した豪雪地帯での周年農業の実現化をサポートします。
(2)グリーンリバーホールディングスはビニールハウスを再生し、水耕栽培装置を設置し、その設備をレンタルして生産者を育成後、販売をサポートします。
(3)MOVIMASはIoTと水耕栽培を活用したスマートアグリシステムの開発を行いクラウド管理して、農業ノウハウを共有・蓄積することで周年栽培を実現化し新規就農者をサポートします。
Editor's Picks
-
田んぼに浮かぶホテルがコンセプト、スイデンテラスがリニューアルオープン
-
緑演舎による造園家がプロデュースする個人住宅向け「GARDENNERS HOUSE」事業をスタート
-
ミラノ都市部で自然に囲まれたオフィス空間を実現。ハイテク企業や研究者のハブ施設へリニューアル
-
シンガポールの高層住宅タワーをリニューアル。屋上には住民参加型の菜園も整備
-
メルボルンに駐車場スペースを活用した屋上農園「スカイファーム」が来年に完成
-
台湾の青果市場、屋上に農場を導入した最新施設として2020年に完成予定
-
ロンドン、屋上に植物工場ファームを併設した地元フードコート施設を開設
-
UAEの陸上養殖ベンチャー『Fish Farm社』サーモンなどの魚を本格販売へ
-
カナダの大学が連携。クリーン・エネルギー技術を活用した『高層タワー型の植物工場』を計画
-
海面上昇の対策、海洋に浮かぶ街「フローティング・シティ」食料やエネルギーの自給自足を実現