産業ガス大手のエア・ウォーターが加工食品製造のマルハニチロ北日本の十勝工場を買収すると発表した。同工場は北海道産の野菜などを使った缶詰や冷凍食品、レトルト食品を生産する。
エア・ウォーターは成長分野と位置付ける農業・食品事業で生産拠点を拡充。原料の安定調達や加工技術、物流の効率化などの相乗効果も期待できる。
マルハニチロ北日本が会社分割で十勝工場を切り離し、エア・ウォーターは全株式を8月1日付で取得する。
十勝工場は業務用ソースの缶詰、カレーなどのレトルト食品のほか、カボチャやナガイモ、スウィートコーンをはじめとした、付加価値の高い冷凍野菜の生産も手掛ける。マルハニチログループ向けの販売が8割程度を占め、2016年3月期の売上高は約25億円。
十勝工場の買収でエア・ウォーターの冷凍野菜の生産拠点は4カ所に増える。北海道十勝地区は、同社の野菜調達、加工の重要拠点である。十勝工場をグループとすることで、需要が高まる北海道産野菜の加工能力を向上させ、農業・食品事業の拡大につなげる考えだ。
エア・ウォーターは北海道を中心に農業・食品事業を展開し、M&Aをテコに栽培・調達から加工、物流、販売まで一貫したサプライチェーン全体を強化している。
同事業の16年3月期の売上高は916億円と前の期比3割増えた。また、同社は広さ7ヘクタールのガラス製の太陽光利用型の植物工場を千歳市で運営。トマトやリーフレタスを生産し、自社で流通させるほか、企業にも出荷している。
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