オリックス・養父市などが農業生産法人を設立。植物工場の直販ルートを活用し、販売・流通の一体型モデルを構築

オリックス株式会社は、国家戦略特区の兵庫県養父(やぶ)市で、同社100%子会社のオリックス農業株式会社と、養父市100%出資のやぶパートナーズ株式会社、JAたじま、地元農業者の共同出資により「やぶファーム株式会社」を6月5日に設立、国家戦略特区での農業生産法人として、農地法3条による権利取得を7月9日付で申請したと発表した。

オリックス・養父市などが農業生産法人を設立。植物工場の直販ルートを活用し、販売・流通の一体型モデルを構築

今回の取り組みでは、やぶファームが、養父市大薮地区で賛同を得た農業者から農地約1.2haを賃借、初年度は養父市の特産であるピーマン・黒大豆・タマネギ・にんにくなどの露地栽培を行う。生産する野菜は特別栽培を基本とし、機能性野菜の生産も計画しているという。

オリックスは、既に稼働中の養父の完全人工光型植物工場が生産したレタスの直販ルートを活用、やぶファームで生産した農作物を直売し、事業の高収益化を目指す。また、JAたじまは、農業者への営農指導と資材供給を担い、農作物の品質向上と特別栽培による農作物生産の指導を担当。
やぶパートナーズは、新規就農者の支援と新規雇用の創出や6次産業化による販路拡大、地産地消による地域の活性化を図り、地元農業者は農地の提供、農産物の生産を担当する。

地元農業者の中には、地元で運送業を経営する山本洋介氏(山本運輸株式会社代表取締役)の参加が決定しており、やぶファームは養父市で生産・販売・物流が一体となった協力体制を確立し、中山間地域における新たな農業ビジネスモデルの構築に取り組む。

今回設立した「やぶファーム」では、今後5年間で地元大薮地区等の農業者の協力を得て、農地を10haまで拡大し、農産物の増産を目指す。さらに加工業者との連携にも着手し、養父市の名産品である朝倉山椒等を利用した加工品生産を通して、地域内で連携を図り活性化を目指すとしている。