バイオ研究開発・受託分析サービスのバイオジェット社、科学と伝統製法を融合させた泡盛の商品開発も

地域資源と最先端技術が出会う場所

地方創生に注目が増す今日、そのパイオニアとも言えるバイオベンチャー企業が沖縄県にある。塚原正俊CEOを筆頭とし、地域資源を活用した研究開発・商品開発事業などを手掛けている (株)バイオジェットである。塚原氏は大学時代に生物学を専攻し、基礎生物学の研究プロジェクト、大手食品メーカー研究所、沖縄県の第三セクター研究機関を経て、2011年にバイオジェット社を創業した。

その業務内容は多岐に渡り、遺伝子解析等の基盤研究、地元や県外企業との連携、コンサルティング、地域資源を利用した新商品開発など、基盤研究から開発・実用化まで、既存の研究分野や産業間の壁を意識しない幅広い取り組みを進めている。

その原動力となっているのは「基盤研究の技術、戦略、考え方は、異分野や産業界で極めて有用で価値がある」という信念である。例えば、バイオジェット社は、基盤技術である最先端の遺伝子解析装置NGS(Next-Generation Sequencer:次世代シーケンサー)を使って研究開発サービスを行っている沖縄県内唯一の企業である。

しかも、単なるNGS受託にとどまらず、基礎研究はもちろん、様々な産業に対して具体的な成果に結び付ける立案や実務を得意としており、全国的にも希な総合的研究開発サポート企業である。

 

基盤研究結果の実用化に立ちはだかる「死の谷」を超えるために

基盤研究の結果が現実社会に還元されるには多くの課題がある。商品開発を例にとると、基盤研究の成果 → 応用研究 → 実験室試作 → 実機試作 → 製造ラインの整備・稼働 → 品質管理 → 商品化 → 販売促進という典型的な流れがあるものの、あるステップから次のステップに進む段階はそれぞれがハードルとなっている。

特に、商品化の直前は俗に「死の谷」と呼ばれる最難関の乗り越えるべきハードルが存在する。バイオジェット社は、これらのハードルに対して基盤研究を核とした「技術や考え方」と、異分野との「連携」が重要なツールと考え、その橋渡し役というポジションで業務を遂行している。

 

地域資源への更なる付加価値

数多くあるバイオジェット社の共同開発の業績の中で最も目を引いた成果は、創業130余年の泡盛メーカーである有限会社神村酒造(沖縄県うるま市)との共同開発品、琉球泡盛「芳醇浪漫 守禮(しゅれい)35度」である。

本商品は、バイオジェット社が選別・実用化した「芳醇酵母」を利用している。本酵母を用いることで、泡盛の古酒香成分として共に報告されている「マツタケオール(1-オクテン-3-オール)」と「バニリン」を同時に増加させることに成功した。深みのある香り成分であるマツタケオールは通常の約6倍、まろやかな甘み成分であるバニリンは約8倍多く含む泡盛醸造技術の開発に成功した。

バイオ研究開発・受託分析サービスのバイオジェット、科学と伝統製法を融合させた泡盛の商品開発も
毎年3月に神村酒造で行われる感謝祭では、今年も塚原氏による泡盛の野外セミナーが行われ、古酒(くーす)成分や古酒づくりなどについて科学的視点からわかりやすい解説で、多くの参加者の好評を得ていた。バイオジェット社は科学的視点というスパイスで消費者の興味を掴むことを得意とする。地域資源活性化のパイオニア、科学と生活の橋渡し役バイオジェット社に今度も注目していきたい。

株式会社バイオジェット: http://www.biojet.jp/index.html

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植物工場・農業ビジネス編集部

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