宮城県石巻市に藻類培養施設を建設、健康食品など機能性素材の生産へ

 宮城県石巻市とバイオベンチャーのスメーブジャパンは、東日本大震災で津波被害にあった石巻市内の土地で微細藻類の培養を始める。

健康食品や医薬品、バイオ燃料の原料として販売を目指す。牡鹿半島は海水温が比較的低く、日照時間が長いため藻類の培養に向くという。

微細藻類は、植物プランクトンの一種である「ナンノクロロプシス」を培養する。海中に生息する直径2〜5マイクロメートルの球体で、光合成をしながら効率よくエネルギーを蓄える。

健康成分のエイコサペンタエン酸(EPA)を多く含み、日本では稚魚の養殖などに使われている。

培養にはイスラエルの技術開発会社シームビオテック社の技術を使う。コンクリート製の複数の培養池に計300~500トンの海水を入れ、ナンノクロロプシスを増やす。

1号機は農林水産省の補助金などを使い、牡鹿半島先端の十八成浜に建てる。市が国定公園の一部を貸し出す(写真はイスラエル、シームビオテック社のウェブサイトより)。

宮城県石巻市に藻類培養施設が建設、健康食品など機能性素材の生産へ
4月に1号機の試運転を始め、7月から本格生産する。年16トンを生産し、3年で投資回収を目指す。当面は健康食品の原料として、石巻ブランドで販売する。東北大学や石巻専修大学などと研究を進め、医薬品やバイオ燃料への活用を目指す、という。